焼肉についての考察

これまで焼肉について色々思う事を書いてきました。そろそろ自分なりの焼肉についての考えをキチンとまとめるべきではないかと思うのです。そこでプロフィール代わりに自分の焼肉観について、時期を追ってコチラに立ち上げさせていただきます。

焼肉の焼き方について

肉の焼き加減については、千差万別で個人の自由でいいと思います。よく「肉は生に近い方が旨い」とおっしゃる方がいますが、必ずしもそうだとは思いません。例えばハラミなどは、ある程度焼いて食べる方が肉自体の味がはっきりすると思います。だからといって「よく焼いて食べるのが通」とも思えません。レアぎみで食べる方が好きな方は必ずいます。要は好き好きです。
それよりも、一番の問題は、焼肉とは自分で最後の調理をしている事の自覚の無さではないでしょうか。よく火が通っていようが、レアで食べようがそれは調理です。網の上に肉がなくなったからと、どんどん置いていく人がいますが、それは調理ではありません。常に自分で自分の食べる肉を見ながら焼いて、そして食べないと意味がないのです。甲斐甲斐しく世話をしているように見えて、大変無責任な行為に他なりません。
焼肉は、テーブルに出された時点では完成ではないのです。調理側は、最後の「焼く」という行程を客サイドに任せているわけです。それに対して、無責任に肉を火にかけている事は非道い事ではないかと思います。話に夢中で肉が炭になるまで気がつかない人や、食べきれない肉を網に乗せている事は最後の行程を任させたものとしてあまりに非常識だと思うのです。「肉を焼く」という快感を味わう必要のない人は、初めから調理された肉を食べればいいと思うのです。
調理の快感というのは、おそらくほとんどの人が持っているのではないかと思います。「自分」で焼いて「自分」で食べるという事は、日本人が好きな鍋物に似ています。鍋奉行などが仕切って食べている事になれてしまうと、この「調理の快感」が薄れてしまいます。しかし、焼肉は全ての人が、自分の肉に対して「調理」が出来るのです。出来ればそれを楽しんでいただきたいのです。そうすると必然的に炭になるまで焼きすぎたり、無責任に他人の世話を焼く事もなくなると思います。
長々と書きましたが、結局は「好きに、自由に焼けば大丈夫」という事です。お店の人が、「あんな焼き方して、素人が。」なんて陰で笑ってる事はありません。もし、焼き加減を間違えている時には、それとなく教えてくれたりしますので、騙されたと思って言われるままに焼いてみるのもいいかも知れません。ただ、ホルモンに関しては、新鮮さを感じる事が出来ないモノは、よく焼いた方がいいでしょう。まぁ、そんなホルモンが出てくる時点で、その店はやめた方がいいのですが……。