スキヤキその4

ようやく、すき焼きに箸が入ります。
一番最初に敷いている肉のことを、「捨て肉」と呼んでいます。この肉は、最初から煮込み続けているので、もはや牛肉としての美味しさは期待出来ません。サシは完全に溶け出している上に、この肉に直接調味料がかかっている訳ですから、本来の味はホトンド無いと言ってもいいでしょう。
ところが、この肉は別の物になっているのです。あえて言えば、レアな牛肉佃煮のような物です。これが、甘辛くてボソボソした感じが完全な「酒の肴」です。本来は日本酒に合うのでしょうが、私たちは発泡酒および焼酎の湯割りです。今回用意された焼酎は、二東のマッコリを探しに行った際、同行者が購入した鹿児島産・芋焼酎です。これを前日から水で割り寝かせておきました。これが、すき焼きの味をしっかり受け止め、なかなかの物です。
さて、鍋の方は粛々と進み、600グラムあった肉も1/4を残すところとなりました。本来なら多めに作って翌日のすき焼き丼になるのですが、食い意地の張った私たちは見事に完食。私の翌日の食事用にわずかに肉を残して終了です。
この久しぶりのすき焼きは、貧食生活が続いていた私にとってオアシスでした。過ぎ去りし日の栄華です。

すき焼きの余韻は3日しか持ちませんでした。
というより、持たせすぎです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)