冬の朝の布団は天国です。耐えきれない尿意との戦いは聖戦と呼んでいます。
とある日、街中を歩いていますと、料理屋さんのディスプレイの用意をしている人達がいます。見ると、明らかにその店の店員さんという制服の若い方と、スーツ姿で恰幅が良くお年を召した方との二人です。スーツの方は片手にチェックシートのようなモノを持っています。若い店員は何か話しながら、ディスプレイに料理サンプルを並べています。
見たイメージでは、本社のエライさん、というか指導員が、各チェーンの様子を視察に来ている風情です。最近のチェーン店やフランチャイズは、こんな風に視察してるのだなぁと横を通り過ぎようとしていると、スーツの恰幅の良い方が
「なんだこのキャベツは。こんなに大きく切って、量も少ないのか」
と怒ったように話しています。なるほど、確かに付け合わせのキャベツなどは、細かく千切りにして多く盛りつけた方が見栄えがいいです。しかし、それにしてもサンプルなのですから、ホンモノの料理ではありません。以前からそれを使っているはずです。ということは、お店毎にサンプルを作っているのでしょうか?と一瞬のうちに考えていると、店員さんが怯えたように曰います。
「これは、キャベツの一夜漬けですので、この大きさとこの量です」
なるほど、納得です。千切りキャベツでないならそんなモノでしょう。あんなものが大量にあってもイヤものです。
「なるほど、そうか」
と、恰幅の良い方は納得して、何かをメモに書き込んでいました。
えーーーと、すみません。あなたは指導員じゃなかったのですか?これは申し訳ない。私の勘違いのようでした。おそらく、これから脱サラして、そのチェーンかフランチャイズで新しくお店を始める方なのですね。その為の研修だったのですね。いやーー、その見た目に騙されちゃいました。というか、
なぜあなた、そんなに偉そうなのですか?
立場が逆じゃないでしょうか?