人混みから帰ってくると、途端に疲れが吹き出します。まるで噴水のように、どぶしゃぁと。そして、夕方にひとり言をぶつぶつと。
行って来ました、えべっさん。商売繁盛で笹持って来いと言う訳です。実は子供の頃に、屋台を目当てに遊びに行って以来、全く疎遠になっていました。しかし、流石にここ何年かの不景気具合を改善すべく神頼みです。神頼みで改善されるなら、国会はえべっさんに併せて開会すべきです。ふむ、名案かも知れません。
とか言いながら、わざわざ人混みに出かけた理由が「出店のつぼ焼きでビール」なのは誰にも言えません。そんな誘い文句に引っかからない訳がありません、この私。そんな訳でお出かけしたのですが、えべっさんといえば「熊手」です。前の年の熊手を返しに行くのです。では返しましょうと、我が事務所にあったものは1995年の熊手です。あの阪神淡路大震災の年のものです。つまり、本えびすが10日ですから地震の一週間前です。さぞや神様も怒ってらっしゃるでしょう。ごめんなさい、私が買ってきた訳じゃないのです。
そんな心配を背中に背負って、のこのこえべっさんに向かいます。早速JRに乗ろうと切符を買ったところ、人身事故で列車が止まりました。復旧の見込みがつきません。仕方がないので私鉄に乗ろうと、切符売り場に並べば、私の列だけが進みません。前の方のジイサマが切符を買えずに呆然としていた訳です。仕方なく隣に並んでようやく買えたときには、ちょうど列車が出たところ。しばらく待って乗った列車は目的駅の二つ手前止まり。次に来た列車は、一駅先止まり。双六でいうところの「1の目が続く」というヤツです。背中の神さんが怒ってはります。えーーん、怖いよぉ。でまぁ何とか目的駅まで着いたのですが、券売機には長蛇の列。しまった、帰りはこれに並ぶのか。往復切符を買えば良かった……。見事なまでに祟られています。えべっさん、ごめんなさい。この後も、私が振り返った途端、そこにいたおばちゃんがひっくり返り、子供は親に引きずられと、人間最終兵器状態です。目から変なビームが出ているようです。とりあえず、背中に鎮座坐す神さんを何とかしなければいけません。さっさとお賽銭と柏手でお払い、厄落とし。熊手を返して一安心です。ふーーー、危うくエライ目に遭わされるところでした。
そして、今年の「熊手と笊」の買い物を済ませて一息つけました。これで本当に大丈夫。さあ、つぼ焼き♪さぁ、ビール♪な訳です。そう、早速ダメ人間ぶりを発揮します。人目なんて気にしません。旨けりゃいいのですと、つぼ焼きで唇を軽く火傷して、更なるダメっぷり。ココまで来たらの「はしまき」を、出店の端から端までチェックして、一番大きなところで買えば、大きすぎて食べにくく、顔中ソースだらけで駄目押しのダメダメです。へへへ、何とでも言ってくれぃ。ようやく帰ってきた事務所で最後の締めはビールです。
えべっさんにヱビスビールなら文句はないでしょう。
今日は晩飯、軽くでいいです。「はしまき」デカ過ぎです。