さて、東京二日目。本日の予定は築地へ行こう!だったのですが、どうも病み上がりからの忙しさで疲れておりましたので中止。次回の楽しみにおいておくという事で。代わりにホテルのデリ(デリだっけ?)で朝食を買い込みます。
クロワッサンサンド、スパイシーデニッシュ、春野菜とチキンのサラダ…。おおよそ自分に似つかわしくないメニュー。ま、アレですよ。これから非常に偏った食事をする予定ですから、野菜だとかいう輩も摂取して備えておくのです。
という訳で、この旅の二つ目の目的。「東京の旨いトンカツを喰う」を達成すべく自由が丘へと向かうのです。自由が丘。そのフリーダムな響きに食欲を掻き立てられながら、東京メトロという名の欲望の列車に揺られます。
ところで、これは私だけの意見ではないと思うのですが、豚料理に関しては圧倒的に関東の方が旨いと思うのです。歴史的に見ても、扱う肉の量を見ても明らかに東高西低ではないでしょうか。ってか、トンカツの肉が分厚い。
本来、キチンと火を通さねばならない豚肉は、分厚く切ると調理に時間がかかります。関西の短気さではそれを待てないから肉が薄い、とは言いませんが、北大路魯山人(京都生まれ)あたりが元になっているのか、「美味しんぼ」でも肉が薄い方がいい、と書かれてました。
確かに薄い肉のトンカツも旨いですが、ここはやはり、圧倒的な迫力でトンカツいただきましょう。東京で。私が知る限り一番旨いトンカツを。さすがにトンカツまで連荘すると色々な意味合いで怖い事になるので一回の旅に一軒と決めておきましょう。
という事で自由が丘。辿り着いたその地は、まさにオサレ空間。というか、そんな事はほとんど気にせず目指す店。下調べをしていなかったので、取り敢えず歩き出します。うん、失敗。結局見付けられずに書店で調べます。立ち読み。
何とか辿り着きまして。お店の中へとこんにちは。席はありますね。ええ、カウンター、調理している目の前に座ります。
しかしアレですね。このお店、前回伺った時には二階のお座敷で食べまして。その時には全く気がついていなかったのですが、フライパンで揚げるのですね。うん、凄い。揚げるというよりもデカいフライパンに衣をつけた肉を並べて、ラード(塊)をがんがん放り込んで溶かしながら揚げていく。
この流れるような静止しいているような(ラードを放り込むとフライパンは放置)作業を実に目の前で見ていられます。これは凄い。こんなこと自宅では決して出来やしない。この製法はこのお店にお任せです。
ってなことをつらつらと考えている間に完成。そこそこ時間はかかりますが、作る課程を見ているとあっという間なのが本音。さて、頂きましょうか。って、旨。これ、これですよ。旨いわ。うん、これを食べるために東京に来たと行ってもかまわないほどの旨さ。
油が油ではなく脂なんですよね。だから、噛んだ瞬間から全てが豚肉の旨味。香りも味も全てが豚の旨味に変わっていくのです。この贅沢なまでの旨さ。確かに胡麻油の温度を変えた二度揚げも美味しいですが、全てを豚で賄っているという統一した旨味は絶品です。
そして、トンカツの旨さを極限まで感じさせてくれる「ロース」の旨さ。何と言ってもトンカツはロースが最高だと信じて疑いません。赤身と脂の異なった旨さを同時に楽しめる。ヒレカツでは出ない味わいがあるのです。
がつがつとカッ喰らいながら、ああ、東京に来てよかった、と心底思わせてくれる一時。焼肉のサイトだといいながら、トンカツに心の全てを奪われている、そんな自分を許してしまうほど、そんな包容力まで兼ね備えたトンカツでした。
普段なら、ビールでも呑みながら食べるのですが、ここではそんな事すら考える事のない素晴らしいトンカツとの語らいでした。ご馳走様。
あ、今回のトンカツではほとんど写真がないのは、私の欲望が、食欲がそんな時間を与えてくれなかったからです。うん、餓鬼道に堕ちたと思ってくださればほぼ間違いありません。そこまで思い入れのある旨さだったのです。
本当は、このあとの桜の話も書こうと思ったのですが、トンカツだけでお腹一杯になったので次回に回す事にします。
やはり、どうあがいても花より団子(主に肉)だったようです、私。
いやぁ、本当に大満足のトンカツでした。痛風になっても後悔無し!
今回のお店:とんかつ「丸栄」
東京都目黒区自由が丘2-11-16
TEL.(03)3717-3418
とんかつ「丸栄」さん
めちゃくちゃ美味そうですね(^?^)
いいなぁ?食べたい??!
豚カツはご飯モリモリ食べたくなりますよねえ。
今日のお昼は久々に豚カツでした、もちろんロース。
わたしもロース派だなあ。
>コウさん
トンカツは東京が絶対に旨いです。
丸栄さんはイチオシですよ。
>ミホさん
ロースです。トンカツはロースに限ります。
ご飯もお代わりするくらいの勢いがついてしまいますね。