東京旨い物紀行〜第四食〜

実は私たちが上京したその日は、実にお花見日和。というか、一気に桜が咲いたようです。何と言いますか、普段の心がけのよさといいますか、人徳といいますか。ある意味こんなところで幸運の安売りはしたくなかったのですが、せっかくなので楽しませて頂きましょう。
という事で、列車の中から見えた桜を目指して目黒川に寄り道。中目黒の駅から池尻大橋までをブラブラと桜見物。まぁ見事な桜です。たぶん、今までの人生で一番たくさんの桜を見たかも知れません。
ま、さすがに土曜日の桜日和。人出の方も結構なようで。歩くのに苦労するほどではありませんが、人混みに酔いそうになりながらふらふらと彷徨い歩きます。ってか、流されてるのか?どこかへ流されるのか?という不安。
そんな訳で完全制覇は無理だったので、途中から代官山方面へと避難。こちらの方が人が少ないという不思議。もっとも普段がどういう状況か分からないですから比べようもないのですがね。ええ。
カフェで軽くジンフィズなどで喉を潤し、再びアマグリさん・ながしまさんご夫妻と合流となります。場所は、え〜と「清澄白河」駅ですか。はい、ではそちらへと移動しましょう。再び欲望という名のメトロで移動です。
ま、色々とありまして無事にお二人と合流。あまりの無事さに驚くほどに無事。この辺りでネタの一つもあるかと思いましたが全く順調。うむ。こういう旅もたまにはいいですね。で、目的地。今回の旅の主題であるところの「どぜう」を頂きます。
あれです。関西ですと、ほとんど口にする事のないドジョウ。気分的には小さな鰻なのですが、そこはそれ、やはり違う物ですから、是非とも食べてみたいとリクエストしていたのです。だからそれはそれは楽しみにしていたのです。
さてお店。なんというか、こう、明治の遺物的な建物を想像していた昭和の子供ですが、想像していたよりも随分と綺麗な外観。これはこれで食べ物を扱うお店としては当たり前ですか。そうですね。私の勝手な思い入れ。
つつーとお座敷に通されまして。他のお客さんは一組だけ。座敷には私たち四人ぽっち。貸切気分でがんがんと喰らいましょうか。まずは「ぬき」。骨抜きどぜうなべ。ほうほう。これはまるで小さな鰻ですね。
スキヤキ風にいただくとかで生卵付き。早速ゴボウ・豆腐と一緒にぐつぐつと煮ましょう。そして食べましょう。ガッツリと。なんというか、もう食欲がわきわきなのです。昼のトンカツなどとっくの昔に消化して、目黒川の散策で全てエネルギーとして消費しました。
煮上がった「ぬき」は実に美しい。本当にミニ鰻というにふさわしいほどの見事さ。早速いただきましょう。と、なんとま。これ。旨い、旨いよ。大抵、川魚(畑魚?)は臭みがうんぬんと聞きますが、旨い料理には臭みなんてない、という証明。
これね、めちゃめちゃ旨いですよ。で、ビールが進む進む。堪らんよ、脂がのった上品な味。ゴボウの大味と相まって実に趣のある旨さ。がっつがつと喰いまくりです。ってか手が止まらない。で、ビールの見過ぎ。
さらに「丸」が。これはドジョウを丸ごと鍋に敷き詰めてありまして。この見た目が実に不気味。あれですよ、真夏に釣りに行って氷を入れ忘れたクーラーボックスみたい。なんというか、ずばり魚の死骸。
で、この見た目の悪さに旨さを見付けてしまうあたりが、自分自身の意地汚さ。見た目が悪いほど旨いに決まっていると、深層意識から緑の小人さんが囁くのです。イドの住人が。だって、あれでしょう?ホルモンだって見た目悪いけどあんなに旨いんだし。
てな訳でネギを大量に乗っけてぐつぐつぐつ。いただきます。あ、これいいわ。実に旨い。野趣溢れる旨味。ぬきの上品さとは違って、丸ごと一匹ずるりと食べると、小骨の食感までもが旨味になりますね。これは旨い。
ちょいと山椒の粉など振りかけるとまたまた旨さが変わります。ピリッと。ビールビール。で、今、これを書いていて気がついたのですが。なんでビールなんだ。いい加減冷酒、いや冷や酒に移るべきじゃなかったのか?ああ、あまりに旨くて、酒にまで気が回らなかった。不覚。
とまぁ、後の祭りは忘れて。ドジョウの蒲焼き。以前、金沢でも食べましたが、あれとは全くの別物。鰻のようにぷりっとしたその身は、実に蒲焼き。これは鰻の焼き方にも共通しているのでしょうかね?
東で食べるウナギは蒸して焼き、西ではカリッと香ばしく焼く。ドジョウにもそのまま言えますね。金沢のドジョウは炭のようにしっかりと焼いて、香ばしさを味わうのに対して、こちらのドジョウはまさに蒲焼きとして味わうのです。旨い。どちらも好きですが、手を伸ばせば届く方を優先します。
更に更に。ドジョウと言えば柳川。これは外せません。いただきましょう。ふわっと卵で和えたドジョウ。これは地元でも食べた事があります。でもこれ、旨い。実に旨い。ビールビール。ってだから冷や酒の方が…。
もうね、ここまで後悔するのならば、次回もう一度「冷や酒でどぜう」という事で決定です。はい、必ず日本酒リベンジします。夕刻だろうが何だろうが、もはや私の欲求はとどめる事が出来ません。

すでに次回東京旅行の予定(築地・どぜう)が埋まりつつあります。
ま、あれです。夏までに行こうと本気で考えています。

今回のお店:どぜう「伊せ喜(※喜は七がみっつ)」
東京都江東区高橋2-5
TEL.(03)3631-0005

8 comments to “東京旨い物紀行〜第四食〜”
  1. どぜう!!
    今回てつやさんと食べた「まる」は美味しかった!!
    なぜ途中で冷酒って気がつかなかったのでしょうか?
    ビールっ!ビールっ!って感じで進みましたよね。
    次回は冷酒&どぜうでゴーです!

  2. 本当に美味しかったです。<どぜう
    どうして冷や酒にいかなかったのか本気で悩んでいます。
    普通に考えれば日本酒ですよね(笑)
    次回も是非ご一緒に!

  3. うまそうですなーどぜう。
    中部のワタクシにはあまり縁がありませんが。
    同じく金沢でカリカリどぜうを食べましたよ。
    来月のトウキョウ出張で!と思っていたら・・・
    急遽大阪に出張先が変わりました。
    こうやって東京旨い物紀行のトレースが出来なくなるのですね。
    アーメン。

  4. >フジワラさん
    残念ですね、東京→大阪。
    がぶ飲み党の支部長として部長をお待ちしております!

  5. またまた・・・
    わたくし清澄白河のホテルに泊まってましたw
    ほな今日はどぜうでも食べにきますかな

  6. アマグリ殿
    目指せ東京です!
    ナゴヤメシばっかり食べてる場合じゃありませんね。
    しばしお待ちを?

  7. >フジワラさん
    カリカリ、旨いですよね。
    東京はいいですわ。
    一つの地方として楽しめる場所、まだまだありそうです。
    是非、どぜう、行ってくださいね。
    >アマグリさん
    え〜と、私も参加していいですか?(笑)
    >ぜんさん
    で、どせう行きました?
    また今度感想を教えてくださいね。
    >tabuさん
    旨かったです、ええ。
    どぜうは堪らんですよ。

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