大江戸旅日記〜その肆〜蕎麦「鷹匠」・鰻「丸井商店」の巻

トンカツ&焼肉という高脂質な一日から明けて日曜日。この日は予てより朝食を「蕎麦」と決めておりました。それも早朝から営業しているという噂のお店。だったのですが、見事寝過ごし。午前9時半まで(朝営業)のお店なのに目覚めたのは閉店時間を随分と回ってから。
仕方がないので昼食を蕎麦といたしましょう。もっとも、昨日の飽食の後ですから、そんなに食べなくても平気。だからお昼を蕎麦にすることで帳尻を合わせましょうということに。実に分かりやすく、正しい選択ではありませんか。私たちもようやくオトナになりました。
さて、場所は上野からずーっと公園を突っ切った辺り。地図もありますから全く安心して歩いていけます。ええ、場所は分かります。が、結構遠い。歩いている間にお腹が空きまして。昨日あれだけの飽食を極めておきながら、未だ到達しない無我の境地。ぐぅ〜っていってます我腹が。
なので途中のお店に浮気気分が。あ、中華料理、あ、鰻、あ、ここの蕎麦でもいいか…。いやいやいや。断固として初志貫徹。行くのです、ええ、行くのです。と、更に歩くこと数分。ようやくお目当てのお店「鷹匠」さんに到着。が、何と入口には満席の文字。
普段なら、満席と書かれていれば無理にお店を覗かないのですが、今回はさすがに空腹が最優先。そして何よりこのお店を目当てに来たのですから。意を決して(というほどの事ではないですが)扉を開くと、あれ?入れますね。うん。大丈夫みたい。
無事に席まで案内頂きまして。さて、問題はここから。今回の上京は、同居者様の検査なのです。ということで特に診察日であるこの日は酒が呑めないのです。本来、蕎麦を喰いながら酒を呑む、を信条としていますがそういう訳にいきません。
なので、「せいろ」と「深山(いなかそば)」を一枚ずつ頂くことにしました。つまり、昼飯のハシゴを前提としたメニュー。ということで、今回のご注文は蕎麦のみ。ストイック。実にストイックで大人な行動。自分で自分を褒めてあげたい!誰も褒めてくれないし。
で「せいろ」から。見事な二八蕎麦。喉越し柔らかく、つるりとした食感。旨い。これは実に蕎麦の王道。二人で食べながら満足。というか、腹が減りすぎてあっという間に平らげそうな気がしてきました。これはいけない。蕎麦の味を充分に味わうのですよ。
さらに「深山」のほうも。こちら、あまりに太い。いなかそばとはいえ、これだけの太さは初めてです。もの凄い食感というか、つるつると食べられない。これは恐ろしい迫力です。いやいや、蕎麦というのも奥が深い。
とまぁ、二人で蕎麦二枚。いくら深山が太いとはいえあっという間に完食。ご馳走様でした。蕎麦湯も頂きまして。この蕎麦湯がまた旨い。つゆを蕎麦湯で割ながら、ああ、これが焼酎だったら…などと不遜なことをシンキングしつつ本当にご馳走様でした。
ということで、宣言通りハシゴに向かいます。何といいますかアレですよ。私たちの基本はハシゴ。一軒で終わらせる必要などまるでなし。もうね、どんどんと食い続けるのです。ってかね。ここまで来る途中の鰻。ここが気になって気になって。
このまま素通りなんてとんでもない。ええ、鰻、頂きますよ。「丸井」さんですか。がらがらっと引き戸を開けますと、そこはまるで昭和の風景。玉石を埋め込んだコンクリートの床。席はテーブル二つに座敷が一つ。座敷では小さな子供が両親と楽しげに鰻を食べてます。
ああ、なんとも情緒のあるお店。で、ここのお母さんが実に味わい深い。一体どのくらいここで看板娘を貼ってらっしゃるのかと、大正のモガを思い浮かべ…ません。実に勢いのある下町のお母さん。うん、こういうお店大好きです。
ということで注文は「上鰻重」を二人前。御飯少し少なめに。さて、これからしばらく焼き上がりに時間がかかりますが、割愛。もうね、これ以上長く書いてる場合じゃない。で、やって来ました鰻。いいねぇ、この匂いとお姿。蕎麦だけでは足りない、という自分を受け入れねばなりません。
この蒸してから焼くというのが東京式でしたっけ?もうね、鰻が溶けてしまうの。ご飯と鰻が融合っていうか、鰻あったっけ?と思うほど。で、旨味だけが見事に残るのです。堪らんですよ。旨い、旨い、旨い!あれだけ脂っこいものを前日に喰っても、全く物怖じしない我が食欲。
いや、ご飯を減らして頂く必要が全くなかったですね。とろりと平らげてご馳走様でした。今回の昼食ハシゴは、江戸っ子気分と下町情緒を楽しませて頂きました。やはり東京まで来た甲斐があったというものです。楽しい楽しい。

まぁ、着実に腹肉が育っているのを実感していますが。
恐ろしい恐ろしい。いや、今現在もそうなんですけどね…。

今回のお店:
蕎麦「鷹匠」
東京都文京区根津2-32-8
TEL.(03)5834-1239
鰻「丸井商店」
東京都台東区谷中1-4-2
TEL.(03)3821-3574

4 comments to “大江戸旅日記〜その肆〜蕎麦「鷹匠」・鰻「丸井商店」の巻”
  1. >ながしまさん
    そうですね、寿司はともかく天麩羅は食べたことないです、東京で。
    ああ、江戸前の寿司と天麩羅。
    著しく心動かされているんですけれど(笑)
    >ぜんちゃん
    旨いだろうと思いますよ、江戸前。
    んで、そんな気楽に三泊とか言っていると、適当な人だと思われるよ(笑)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)