二日目の朝。前夜はあんなに呑んだというのに爽やかな目覚め。やはりハイチオールCと大量の水は私の味方でした。普段の旅行では、特に早起きなどするつもりは無いのですが、今回は釧路。釧路といえばいえば市場で遊べる例の朝食なのです。
そう、【勝手丼】というやつですね。ホテルから程近いところにあります「和商市場」へと向かいます。この日はあいにくの雨。念のために持参していたツーリング用のカッパに身を包み市場の中へと潜入。おー、普通の市場ですね、これは。さて、では勝手丼というのを体験してみましょうか。まずは器となる丼を入手せねば。
つつーーっと市場の奥へと、が、いきなりお店の人に捕まる。金曜日の朝ということでいたって人が少ないために目に付いてしまったのでしょうか。そのお店で勝手丼のルーツからそのしきたり、いくらやタラコの味見までして。でご飯を購入する場所まで教えて頂いて、ではいよいよ勝手丼のスタートです。いってみよう!
どの程度が適量か分かりませんから、取り敢えず中くらいのご飯で。「茶碗一杯くらいよ」とお店のお母さんから教えて頂きつつ選択。御料人様は中サイズの器に小のご飯という明らかに臨戦態勢で挑みます。うーむ。私も大きな器にしておけばよかったか。でぐるりと市場を巡ります。目に付いたところで立ち止まっているとどんどんと勧められる味見。
蟹は「花咲」「タラバ」「あぶら」「毛蟹」とあらゆるものを味見。うーん、いいなー、どうしようかなー。あ、エビは全種いきたいなぁ、などとぐーるぐる。結果チョイスしたのは、いくら・トビッコ・シシャモコ・ボタンエビ・ブドウエビ・塩水ウニ・えんがわ・めぬき・ますし・ツブ貝。一品100円から高いモノでも350円くらい。ま、軽く2,000円くらいですか。高すぎですか。
御料人様の丼とは一部を除いてまるで違うチョイス。やはりいろいろと好きなように作るのが勝手丼の勝手丼たる所以ですからね。ちなみに、トビッコはトビウオの卵、シシャモコはそのまんまシシャモの卵、めぬきは白身の深海魚、ますしは時鮭の卵です。えーと。よく見たら魚卵が多すぎ。痛風が怖くないのかと自分に問いかけます。
お店で借りてきた醤油をつかっていよいよイタダキマス!まずはがっつりと。うは、旨いわ!これは堪らないわ。つか、どう考えても好きな具材ばかりですからね。ボタンもブドウもエビはぶりぶり。頭までしっかりと頂く。ウニは甘さでとろけそう、痛風の元はいうまでもなく美味!魚の旨さと魚卵の濃厚さで頭ぶっとびです。旨すぎ!
そしてご飯がまるで足りませんでした。こりゃいかんわ。お代わりしようかしら。と思いつつもここでストップ。瞬殺の勝手丼ですが、腹五分目ですが、全然喰い足りませんが御馳走様でした。ええ、ここで本日の全てを終わらせるのならともかく、本日はこれから聖地巡礼に行かねばならないのです。満腹感は別として、旨さは大満足でした。翌日の再訪を誓いつつ市場を後にしたのです。
さて、雨脚の方が強くなってきましたので、市場の向かいにありますショッピングセンターにて210円のビニールジャンプ傘と雨よけのキャップなどを購入しましてこれからの旅に備えます。釧路から程近い旅。我ら牡蠣好きの聖地である「厚岸(あっけし)」へと向かうのです。うひょーーー!
欲望という名の根室本線下り線。厚岸までは40分の旅。お約束のサッポロビールを買い込んで旅の始まり。ディーゼル一両編成という可愛らしい列車。ところで話は変わりますが、ディーゼルなので電車でないことは分かります。しかし「列車」と呼んでいいのでしょうか?イメージ的には連なった車輌に対して列車と呼ぶような。一両でも列車?おしえて鉄の人!
とまぁ人生の課題は置いておいて。無事に厚岸駅に到着。雨、だんだんと酷くなってきた。あれか?聖地は我を拒否しているのか?それとも信心を試しているのか?見事な向かい風に圧倒されながら、駅から目的地の厚岸漁業協同組合直売所へと1km少々の道のりを歩いて。ほら、やはりこういう時は歩く方が楽しいじゃないですか。
そして辿り着きました、厚岸漁業協同組合直売所。別名エーウロコ。ここでの目的は以前御料人様が一人で訪れた際に食べたという牡蠣。そう、厚岸をいえば牡蠣なのですよ。牡蠣食わずにどうするのよ?ということで。ついでにお土産も買おうね、などと甘言付きで。いや、だから牡蠣だって牡蠣。喰おう喰おう!
いうまでもなく厚岸の牡蠣といえば【カキえもん】ですね。厚岸生まれの厚岸育ち、純厚岸っ子のカキえもん。サイズはきっちりとLLサイズ。取り敢えず五つお願いします。レジにてお勘定した後にイートインのコーナーへと。つか、普通にテーブルがあるだけ。ここで牡蠣を食えるのですが、調理法が豪快なのですわ。
勝手に電子レンジで喰えと。レンジの上には個数に対する加熱時間が表記。いいねぇ、これはいい。五つなので6分ね。待ち時間の間にぐるりと市場内を散策。缶詰やお菓子などいかにもお土産物。へー、といっているウチに加熱終了!イタダキマス!牡蠣でか!ぶりぶりでデカ過ぎ!とりあえず私は三つ御料人様は二ついただいて。
もうね、海の旨味が全て凝縮されているかのような旨味満載。あー雨の中ここまで来た甲斐があったというものですね。よーし調子に乗って牡蠣を追加だー!どうせなら違うブランド頂きましょう!ということで今度は【ナガえもん】二個と【マルえもん】三個という取り合わせで。そしてレンジで時間がかかるということが分かったのでつまみを追加。
ウニ一箱。プリン体の塊追加。しかも酒無し。えーーーと驚いたのは私も同様。自販機くらいはあるだろうと思っていたのに健全営業に動揺。どこかで買ってこようかとか思いましたが、この際海の幸に酔うのも一興かと思い直してそのまんまで。ウニ、甘くて旨ーい。牡蠣が出来上がったので喰おう。ナガえもん。うん、上手く開かない。
仕方ないので更に加熱、それでも上手くいかない。ぐずぐずとやっている我らを見かねて市場のお姉さんが開いて下さいました。ありがとうございます。で喰う。これカキえもんよりデカイよ。岩牡蠣の大ぶりなのより更にデカイイメージ。牡蠣は大きくても大味にならないといわれているけど、このナガえもんはちょっと淡泊かな?
更にマルえもんを。おーこっちは小ぶりで良い感じ。いや、小ぶりといっても普段喰っている牡蠣の1.5倍は優にあるのですけど。牡蠣フライにいい大きさですね。これも瞬殺。あー旨かった。すっかりと満足。一人10個は喰えると思ってましたが思いの外大きな牡蠣だったのでこの辺りでやめておきましょう。お土産物をちょっとだけ買って御馳走様でした。
このあと、厚岸大橋を暴風に吹かれながら渡って、何もないねぇということを確認してから駅へと向かいました。ちなみに、欄干に止まっているカモメは、真横を通っても逃げません。人になれているのか、それとも縄張りに入ってきた我らを威嚇しているのか。まぁこの橋を歩いて渡るような人はいないのかも知れませんが。ほとんどの人が自動車移動ですから。
駅まで戻って運行時間だけを確認して、さて続いての目的の場所へと行きますよ。駅からすぐの所にあるお店へと。ところが、あるけどもあるけども店がない。おかしーなー、地図では駅のすぐ裏なのに。ええ、観光雑誌の地図がずさんでした。結局お店まで30分以上雨の中を歩いて、辿り着いた時には食事時間がありません。
というのも廃線の危機にあるローカル線。一時間に一本どころか下手をすると二時間ほど列車待ち。一気に10分で飯を喰うならいざ知らず、そんな危険はおかせませんと記念撮影だけで。ちなみにお店の名前は「海鮮焼肉 ゆっけ」と、我ら夫婦が行かないわけにはいかないお店です。あー、ネタのためにも喰っておきたかった。
この後、死にそうな向かい風の中、210円の傘はバラバラに。辛うじて合羽を着ていたお陰で駅までたどり着くことが出来ました。しかし、件のお店で食べるために量を減らしていただけに既に空腹なのです。こういう場合は、ええ、駅弁ですね。キオスクで買い込んで列車に乗り込むと同時に頂きましょう。
結構有名な駅弁だそうでその名も【かきめし】です。お土産用に買い込んだ蒲鉾もここで食います。【牡蠣蒲鉾】と【ほたて蒲鉾チーズ入り】、さらに冷えてしまった身体を温めるための日本酒。いうまでも無いですが、牡蠣蒲鉾・ほたて蒲鉾ともに普通に美味しい酒の魚でした。うん、それだけの感想。こういうのは気分の問題です。
それに対して、かきめし。これ旨すぎ。駅弁とは思えないほどの大ぶりの牡蠣が三つ、どーーんとその存在感。添え物はフキ、椎茸、あさり、ツブ貝。もう、マジで感激ものの旨さですわ。色目が濃いのでかなり辛いのかと思いきやまるでそんなことはなく繊細なお味。うーん、いいわぁ、東京駅の深川飯に勝るとも劣らない素晴らしき駅弁。
再び四十分の小旅行の後、無事に釧路へと戻って参りました。いやーすっかりと雨風にやられちゃったのでホテルでシャワーを浴びて夜に備えることにしましょう。風邪でもひいてしまっては旨いものが旨く喰えなくなっちゃうじゃないですか。我らの目的は喰うことなのですからね。
ようやく朝と昼の部が終わりました。
夜もただでは終わりませんよ。
「勝手丼」、値段だけ聞くと高いようですが、物を見たら納得。
寿司屋で食べたらいくらするでしょう。
牡蠣の大きさが・・・・・次回は、メジャー持参でお願いいたします。
そりゃ?うまいでしょう。
そんなに食べてると痛風になるよ ^?^
でも食べたい。
>おっちゃんさん
無茶をしなければ、1,000円もあればかなり美味しくボリューム有りでつくれますよ。
私達は無茶しまくりですが(笑)
メジャーは本当に持ち歩こうかと思っちゃいますね。
>8787さん
痛風が怖くて魚卵は食えません(笑)
旨かったです!