焼くのは牛ばかりではありません「炭火焼鳥　鳥平/兵庫店」

もう先月のことになるのですが。いつものように原酒店でご機嫌な一杯をいただいて帰ろうとしていたのですが、ふと、焼肉が食べたくなったのです。よくありますね、こういうコト。一緒に駅方面にむかっていたのぶ。さんをお誘いしてポッサムチプに電話してみました。

ええ、見事に満席。いつものことです。で、その時そういえばお隣の焼鳥店「鳥平」にしばらく行っていないことを思い出しました。のぶ。さんにお訊きしたところ美訪のお店だそう。それではいい機会なのでご一緒しましょうということに。いつものようにフラフラと飲み歩くのは自然の摂理。軽く一杯だけにしましょうね。

といいますのも、私、原酒店に行く前に既に夕食を食べていたのです。しっかりと焼そば定食。ですから軽く軽くと呪文の様に唱えながら。格子戸をくぐり抜ければそこには懐かしいご主人の顔。お元気そうで何よりです。まずはお酒を。すでに日本酒で出来上がってますので今更ビールに戻れない。熱燗をいただきます。二人で乾杯。

つきだしの【漬物】をつまみながら当然生ものから。焼肉だろうが焼鳥だろうがコースは決まっております。【ササミ梅くずし】は、鶏の笹身を梅肉でいただく。あっさりとしたササミと梅肉の相性は抜群。高蛋白低脂質。なんてオッサンにやさしいメニューなんでしょう。本当はアスリートに適したメニューなんですけどね。食のアスリートと呼ばれたこともあるオッサンには丁度いいのです。

更に【ズリ刺】はコリコリとした食感を愉しみます。生姜醤油がマッチして、どんな酒にも合うんじゃないかと思わせてくれる万能選手。【肝刺】はハツ刺もついてきます。鶏の内臓はずるりと繋がっているので、肝にはハツが付き物だとか。なるほど、だからセットなのですか。これまた新鮮な刺身。実に実に旨い。肝刺は日本酒に合いますねぇ。

で焼き物。まずは【つくねタレ焼】。こちらのつくねは小ぶりなんですが旨味が凝縮されているんですよね。さらに【つくね塩焼】が。ええ、実はタレと塩両方お願いしたのです。いつもタレか塩かを聞かれるのですが、どちらもどうしても捨てがたい。なので両方をいただくのです。つくね自体の旨味を塩で、タレとの絶妙なバランスもいただく。オトナの余裕ですな。

【皮酢】は鶏皮塩焼に大根おろしを大量に乗せてポン酢で。バリッと焼けた鶏皮と大根おろしのさっぱり感がなんとも嬉しい一品なのです。あまり生々しい焼き加減よりもこちらのしっかりと脂を落とした焼の方が大根お下ろしとのコントラストがはっきりとして口腔内幸福度が一気に上昇しますね。大量に乗せられたネギもアクセントになっていますし。

そしてこの店で超おすすめメニューの【ヒップ】です。これがもう、最高なんですわ。しっかりと焼き込んでありますから尻骨までガッツリと喰える。骨のこりこりと脂じゅわりが合わさると最強焼鳥伝説が幕開けしてしまうのです。旨い。堪らんぜ！さて、いくらでも喰えそうな予感ひしひしですが、流石にこの辺りで終わりましょう。

ラストの〆には【セセリ】をお願いしました。こちらのお店ではネギ身の身はセセリなのです。なので普段はネギ身をいただいているのでセセリ単品は食べたことがなかった。これは不覚。そいうことでさっぱりとした焼き物で終わりたい気分を満足させて頂けるセセリをいただきます。ところが、思ったよりも濃厚な鶏の旨味。

ああ、そうか。セセリは旨味が濃い場所だったんだ。いつもはネギと一緒にいただくから気がついてませんでした。これが三本あれば日本酒一合十分ですわ。次回からは順番考えてお願いしましょう。ということで本日はこの辺りで。どうも御馳走様でした。

相変わらずリーズナブルに美味しく頂けて嬉しい限りです。私的に値段と味でこのお店が一番のお気に入りなのです。ただ、当然こちらのお店も人気がありますので入れないこともしばしば。以前のように真ん前に住んでいればバルコニーから偵察出来たんですけどね。

というか、一本電話入れればいいんですが。
なんとなく、覗いて入りたい気分のお店なのです。