ちょっとチョモランマの麓まで「ネパール家庭料理 ククリ」

先日来、平野の「はんなり祇園」が神戸の一大ホットスポットとなっております。今最も熱い場所、それが平野！ということで、はんなりさんとは別のお店にも突撃しております。

神戸市北区にお住まいの鳥頭の人曰く「神戸市チベット区」といわれている北区。そこへ向かう主要道路添いにネパール料理のお店があります。チベットのふもとにネパール。なんとも意味深じゃありませんか。というか、基本的にエスニック系の料理が大好きな夫婦ですので、ネパール料理といわれれれば生きなくてお尻のあたりがむずむずしてくるのです。

実は先々週くらいに既に御料人様と二人でお店に行っております。ちょうどゴールデンウィーク明けの日曜日。そう奇しくも初めてはんなり祇園に行く前日です。開店と同時にそのネパール料理のお店「kukuri（ククリ）」へと伺ったのですが、前日までご店主が体調を崩されていたということで一部のメニューが用意出来ていませんでした。ということで昨夜リベンジに。

お店は平野交差点の南側。アムス下祇園ビルの地下一階。コンクリートの階段を下りるとそこはロッジ風のくつろぎ空間なのです。木のぬくもりが感じられる調度品。うん、素敵。メニューのボードの横には喫茶店でお馴染みの看板「香り高い珈琲チャイをどうぞ」が。うん、チャイですね。ということで早速ビールを頂いて。

前回はネパールのビールを頂きましたが今回は普通に生ビール。さて、料理の方はといいますと、本来はダルバートというプレートに各種の料理が盛り合わせになっているものをお願いする方がいいのですが、あえて今回はアラカルトで。まずは前回食べ損ねた【アツァール盛り合わせ】を頂きましょう。そうこれを食べたくての再訪でもあるのです。

芋とカボチャと大根のアツァール。おお、インド料理のアチャールとはまるで別物ですね。特徴的なのは大量に使われている胡麻。これと香辛料が合わさっての味付け。基本的にインドのアチャールって辛いのですが、こちらでは甘い。味付け的な甘さではなく素材が本来盛っている甘味を引き出しているのです。それが胡麻と香辛料でいい塩梅。

これは素晴らしい。では続いて【ダルスープ】をいただきます。これはレンズ豆でしょうか。香辛料がきいた、それでいて辛味の強くないスープ。むしろ豆の甘味が舌に心地よいのです。なんだろう、日本料理でいえば味噌汁みたいな感じ。オールマイティに御飯やナンなどに合いそう。なにせ優しい味なのです。あー旨い幸せ感。

やはりここはカレーも欲しいじゃないですか。【ベジタブルカレー】をお願いしました。というか、適当に野菜たっぷりで、という我が侭な注文。やって来たナンとカレーはまさにベジフード。とろとろに煮込まれた玉葱をベースにブロッコリーや豆がたっぷり。普段の肉まみれの内臓が、久しぶりの優しさ溢れるベジタブルシャワーに喜んでおります。

そう、このナンも、インドのナンとチャパティの中間くらい。ちょっと粉っぽいナンという感じ。これもギーなど使われて無くてあっさりと野菜のカレーに馴染みます。最後に【パロック】を。ホウレン草とチーズのオーブン焼き。こちらもベースに炒めた玉葱が。そのおかげで実に野菜の甘味。チーズもあっさりとした山羊のチーズ。これは旨い。

もうね、全体的に体に優しいのです。前回食べたネパールの点心、モモも美味しかったのですが、このパロックは確かにはまります。いやー大満足。どうも御馳走様でした。本来はこちらのお店、相方さんと二人で切り回してらっしゃるそうですが、今はネパールに料理の勉強に行ってらっしゃるとのこと。ご店主もネパールまで長期滞在で料理の研究にいくそうで実に誠実な料理をいただけます。

優しくて繊細な料理を作ってらっしゃる雰囲気がご本人からも伝わりますね。お酒に関しては、ネパールのワインは高いわりにお味がイマイチということで、ネパールビールだけ扱っているそうです。この辺りもいいんですよねぇ。はんなり祇園の後にちょっと呑むのにも良いかもしれません。

ま、正気を保っていればのお話ですが。
たぶん、べろべろでしょうからね。