二月のバレンタインより、友人がお店を開いておりまして。最近はすっかり立ち呑み派の私の好み国産ワインと日本酒と日本のビールがスタンディングでいただけたり、普通に酒販店であったり、二階がイタリアンのお店だったりと非常に使い勝手がよいお店なのです。
オープン前のイベントでは二階にあがらせて頂きましたが、それ以降は一階のスタンディングスペースに週一以上の頻度で入り浸っておりまして。あ、お店の名前は一階のスタンディングと酒販店が「酒商 熊澤」、二階のリストランテが「旨しや くまり」とおっしゃいます。で、先日、ようやく通常営業の二階のお店「くまり」の方へと伺って参りました。
やや勾配のきつい階段をとんとんと上がっていくと、和と洋のアサンブラージュ。いや、調度品は和風ですね。御料人様と二人だったので案内されたのはカウンター席。こちらはキッチンがよく見える素敵席。さてさて、早速いただきましょうか。ちょうど我々の席の前がアンティパストが入っているネタケース。うん、寿司店とかにあるヤツだね、和風。
目についたところで【くまりのポテサラ】を。上品な味で旨いです。思わずビールをぐびぐび。あ、危なすぎる。【アンティパスト三種盛り】はニンジンのサラダ、南瓜のバニラ風味、ビールのババロア。ニンジンのサラダ、なにこれ。ただのスライスかと思いきや酸味のきいた旨さが堪らんです。南瓜はバニラが甘味を引き立ててます。うますぎ。
ビーツのババロア。御料人様と二人で取り合い。ああ、ビーツってこんな風に調理できるのかと感心することしきり。うーむ、のっけから堪らんぜ。そして今回、とても楽しみにしていた【豚丸ごと特製くまりのメンチカツ】です。豚丸ごと。丸焼きか?子豚が丸ごとか?などとあり得ない妄想の結果、やって来たミンチカツを見て愕然。普通だ。うん、当然ですが。
ところが中身が普通じゃなかった。中身には豚足やガツなどの内臓までが含まれちゃっているのです。しかもキッチリと味付けされたそれはソースなどという邪教を受け入れる隙間は寸分もなく完璧。旨い、これは抜群に旨すぎる。もともと軟骨や内臓なんていうものは私の心オアシスじゃないですか、皆さんがご存じのように。もうね、心の故郷胃袋のお母さんな訳ですよ。
ジューシーなミンチカツに心をガッツリと持っていかれてしまったわけです。でそれで終わるわけがない。【シェフ自家製手打ちパスタ】をパンチエッタで頂きます。どこまでも豚責め。きゃはははは。手打ち麺、これ、素晴らしい!細い縮れ麺といえば分かって頂けるかと思いますが、パスタという狭義に収まらない麺。最早世界最強の麺。うぉおおお!
今を遡ること四半世紀前。私が人生で唯一愛した中華焼そばと酷似しているのです、麺が。そしてパンチエッタとの相性がもうこれ以上の言葉が見つからない、旨いのです。旨い旨い旨い旨い旨い、お代わりしたいお代わりしたい。全て独り占めしたい、世の中を全て敵に回しても食べ尽くしたい、シェフをお嫁さんにしたい(男性ですが)というほどの、旨い。
ああ、もうこれだけで本日の全ては終わったと言っても過言ではない。居合わせ以外の言葉が見つからない。あまりにも感動したのですが、お陰でワイン呑むのを忘れていたようです。【やみつきピクルス】でワインを呑んでクールダウン。うん、これは一階の店でもいただいてます。最後に御飯もので〆ましょう。【イタリア米のライスコロッケ】です。
おお、これも旨いじゃないですか。もっとチーズががっつりときいているイメージでしたがこのくらいだと〆に良いですね。いやぁ大満足でした。特にパスタが。うん、もう、次回は一人一パスタ、もしくは全種パスタ注文という暴挙で更なる満足を目指しましょう。
あまり勢い込むと碌な事にならないので注意しつつ。
それにしても素晴らしい料理でした。
旨しや くまり
兵庫県神戸市中央区北長狭通4-4-15-2F
TEL.(?078)333-0130