旅は更に続きます。少し早めに列車に乗り込んだお陰で席を確保。そして席があるが故に酒を呑むのです。マッコリで乾杯。実はここからは比較的近いので急いで呑まねばなりません。いや、呑まねばならない理由などは本当はありません。呑まなきゃ良いのですが。でも呑む。だってそこに酒があるんだから。
てな訳で途中乗り換えを挟んで40分少々で敦賀へと到着。コンニチワ敦賀。後発組のバードさんを待ちながら駅前散策。お土産物を探しましょう。長浜に続き、敦賀の待ちにも詳しいおこづかい帳さんに船頭をお願いして。ええ、今回の目的のお店が「晃栄丸」だけに。でまぁうろつく訳ですよ、酔っ払いどもが。
ところがですね、敦賀に到着したのが17:30近かったので目的のお土産物がどこも売り切れなのです。最後の手段で駅弁コーナーにも行ってみましたが、無い。これは困った。どうしたモノかと思ってましたら、すぐ隣に寿司店が。皆から「あそこにあるよ」と教えられ、ようやく発見。そう、名物「焼鯖寿司」を。
これは我が最愛の御料人様へのお土産。せめて敦賀の味の片鱗だけでもと。さて、ここでバードさんとも無事合流。お土産も買えましたのでいよいよ最終目的地「総天然漁師の味 晃栄丸」へと向かいます。長かった。実に長い旅でした。つーか、普通の呑み会を三回くらいこなしてきたような気がしますな。
さて、タクシーで乗り付けましたその店は、実に素晴らしい外観。もうね、普通に考えたら、これはいかんでしょう?と思わせるお店。だって入口に船が乗っかってますから。素晴らしすぎる。多分、このお店が近所の漁港に突然あっても入らないと思う。怪しすぎるもの。このお店に最初に入った人は、初めてナマコを食べた人と同じくらい尊敬します。
ちなみに内装は見事なスナックの居抜き。もうね、どうするよコレ?てな雰囲気でビロード張りの椅子に腰掛け乾杯。ここまで来ればなるようになるさ!ええ、なるようになりました。まずは舟盛り。わはははははははははは!!スゲーッ!どかーーーんと尾頭付きの鰤。笑える。マジで笑える。思い切りみんな笑顔!
鰤、鯖、鱸、鰆、槍烏賊(ブリ、スズキ、サバ、サワラ、ヤリイカ)と。恐ろしいまでのラインナップ。どれもコレも旨い旨い旨い旨い旨い…、特に槍烏賊の旨さに堪らんです。ねっとりとしたイカ独特の甘味がこれでもかといわんばかりに口の中に広がるのです。あああ、もう酒が止まらない。今日は控えようと心に誓っていたというのに。
もっとも、無理な事は重々承知。御料人様からも「家まで帰ってくれるくらいには酒を控えるように」という甘めの設定で釘を刺されておりますし。で続いてやって来たのは「牡蠣の酒蒸し」牡蠣!牡蠣じゃないか!土鍋の中に酒蒸しされた様は、居酒屋で大きめの鉢に無造作に盛られたアサリの酒蒸しのごとく。大きさは雲泥ですが。
この牡蠣がぶりぶりなのです。ああ、もう季節的に終わっているかと思ったのですが、最後の最後、これだけ立派な酒蒸しで再会できるとは。もはや感動の名場面じゃないですか。ばぎっと殻を開けて、出汁をすくって牡蠣と一緒に食せば、人生の喜びが食道を通って胃袋にまで達するのです。早い話がメチャメチャ旨い。
酔っ払いどもは、刺身も牡蠣も、テーブルにのっかった瞬間に数を数えて「一人○個ね!」と頭割り。すげぇよ。こんなに食い意地が張った大人って久しぶりに見たよ。でもそれが正解。そうしないと殴り合いが始まりそうな予感ひしひし。てな所で蟹の登場。え?蟹?季節的に終わっているよ、と、おこづかい帳さんから聞いていたんですが。
これはサプライズ!なんでもズボガニという脱皮したてのズワイガニだそうです。ほう、これはいい。早速刺身で頂きます。もうね、醤油なんて入らない。ちょいとワサビをツマミながらそのまんま口に運べば天国の旨さ。甘い、甲殻類の甘さが口いっぱいに広がる。そこをワサビが爽やかにアクセント。死ぬ。美味死する。
でまぁ瀕死の際でもがいている私たちに更なる追い打ちは、このズボガニの茹でたて。熱い。まだ熱い。そしてハートはヒート!う、旨そうじゃないか!で、お店の方(本職の漁師さん)が目の前で食べ方指南。しかも私の目の前。うひょー!す、すげぇよ。さぁ喰うぜ!二人で一匹です、ということなので蟹が比較的苦手なこまつさんをご指名。極悪人な私。
つーか、喰ってるじゃねぇか。え?旨いから?そりゃそうですが。ま、いいや喰おう喰おう。で、殻が柔らかいのでバリバリと足を剥きつつ喰う喰う喰う喰らい尽くす。ああ、幸せだ。素晴らしいよー!というところで追い打ち。蛸。丸ごとゆでだこ。いやっほーーー!四人で一匹ね。足は二本ずつね。すげぇこれうめぇ。
わっつわっつ喰いまくり。ぷりっぷりの蛸の足。そのまんま喰ってもバリ旨なのです。やっぱり漁師料理ってのは豪快でいいですね。自分達の喰いっぷりも相当豪放磊落ですが。で、最後に蟹の味噌汁。ほう、いいですね。牡蠣の酒蒸しで出来た出汁を使って味噌汁。え?全然味噌入って無いじゃないか?
な、なんですと?味噌は味噌でも「蟹味噌」の味噌汁?うわぁこれは旨い。濃厚。日本海の味を凝縮。泣く、泣いちゃいますよ、この私。オッサン泣かせてどうするんだよ?と言いたくなるほどの旨さ。蟹もさることながら出汁の旨さに号泣なのです。最後にご飯と漬物も頂いて本当に御馳走様でした。最高!敦賀最高!絶対にまた来るよ!
ということで、タクシーを呼んで頂いて駅へと向かいます。お店は8:30までという超健全経営なのは明日の朝は漁に出られるからだそうです。まさに漁師料理のお店。いやぁ大満足。しかし問題は電車の時間までしばらく間がある事。そうなれば当然ですが次の店へと向かいます。先ほど焼鯖寿司を買った寿司店。
ま、閉まってましたけどね。なのでソースカツ丼のお店に電話入れるも既に閉店。全体的にお店が早じまいですね。仕方がないので駅前を散策。ようやく見つけたお店に飛び込んで。取り敢えず熱燗を。うは、ちろりで頂けますか。素敵。えーと。おでんを盛り合わせで。え?電車ですか?あ、時間がないな。
なのでシメサバを頂きます。いわゆるキズシですね。これでゆうちゃん之助さん、やっさんと機嫌良く酒盛り。後の人たちがどこに行ったかはよく知りません。このお店は元々寿司店だそうで、前もって聞いていれば寿司も握るよ、などと情報をがきっと収集しておきました。というとこでお時間。皆と合流して再び列車の旅で帰宅なのです。
なぜ突然帰宅かというと、途中の記憶がほとんど無いから。どうやら帰りの列車も酒盛りだったようですが、そんなことは知った事じゃない。もしもココを見てらっしゃる方で我々酔っ払いが迷惑をおかけしていた場合はゴメンナサイ。ここで謝罪させて頂きます。いやぁ本当に楽しい遠足でした。
さて。当然ですが翌日は木偶人形と化しておりました。仕事場にたどり着いただけでも誉めてあげたいほどのヤクタタズ。それでも朝飯はしっかりとちょっとだけ頂きました。ええ、前日御料人様のために購入してきた焼鯖寿司を。なぜ買ってきた私が食べるのかよく分からんのですがそういう家庭という事で。
でまぁこれが実に旨い。焼鯖のブリブリの脂と酢飯、昆布が絶妙なのです。いやいやいや、これはもっと喰いたいぞ。もう一度敦賀までこれを中心に喰いまくりたい気分がわくわくなのです。いい!敦賀!素晴らしいぞ!必ずまた行こうと心に誓う私なのです。月末に富山へ行くというのに。莫迦も休み休み、です。
新しい出会いは感動と腹肉を与えてくれますね。
また太って帰ってきました…。
今回のお店:
総天然漁師の味 晃栄丸(こうえいまる)
福井県敦賀市野神4-1-8
TEL.(0770)24-1086
居酒屋 まごころ
福井県敦賀市白銀町1-20
TEL.(0770)25-8950
寿司 若狭海鮮鮨
福井県敦賀市鉄輪町1丁目1-24
TEL.(0770)21-1321
このお店、蛸の丸ごと茹では必ず出てくるようですね。
ナイフとフォークで食べるのが素敵。
>あんまやさん
ナイフとフォークなのに、なぜかお上品ではないところが素敵すぎです(笑)