先週の木曜日から、北の大地・釧路へと行っておりました。まぁほとんど食べに行ったのですが、これは言うまでもありませんね。関西国際空港から一日にわずか一便、しかも季節限定という素敵な飛行機に乗って北を目指すわけですわ。
空港連絡バスを駆使して関空到着。当然ですが昼食にパスタを食っただけでは足りるわけもなく、空港施設でお食事。インディアンカレーをガッツリと。そして当然のように生ビールも。ちなみに、インディアンカレーにつきましては、注文を忘れられるというトラブル。しかし楽しい旅行の前ですから、怒ることなどまるでなく、にこやかに催促。
無事にカレーを入手。うん、旨い。このカレーで旅がいよいよ始まるのです。さて、ご存じとは思いますが、空港では金属を探知する例のゲートがあります。今回、久しぶりにキンコーンの洗礼を受けました。二十年ぶりくらいでしょうか。で、空港職員のお姉さん(結構若い)から、怪しげな器具で全身をまさぐられるという新手のサービスを受けて無事通過。全然無事じゃないけれども。
さーて。いよいよ乗り込んだ飛行機は、どうひいき目に見ても1/4程度しか客席が埋まっておりません。さすがに平日木曜日では利用者は少ないのですね。まるでアロハ空港かと思わせるトロピカルな座席の柄にうきうきしながら北へと向かうというシュールな情景。えーと、この後、特に問題なく釧路空港へ到着、空港連絡バスで一路釧路駅へ。
今回のホテルは釧路駅のすぐ隣という素敵立地。市場も近いので胃袋の浮かれ具合もなかなかのものです。で、部屋に荷物を放り込んだら出発です。そう、早速今夜の飯にありつきに。
向かうは件の「時しらず」や「鮭児」を送って下さったお母さんのお店「炉ばた ひょうたん」です。はっきり言います。今回の旅の目的はここです。以前お仕事で御料人様が一人で訪店して以来、心の奥底で行きたい行きたい行きたいという行きたい病を患ってしまったお店。唯一の治療法はお店でたらふく喰うことだけ。で、来ましたーーーー!っと。
ガラガラっと引き戸を開ければそこはめくるめく酒処空間。ここを読んでらっしゃる大兄には分かって頂けることかと思いますが、扉を開けた瞬間に立ちこめる酒好きのオアシス、それを一瞬で感じることが出来るお店なのです。つか、余りの素晴らしさに暫し絶句してしまったことはここで白状させて頂きます。
先客は一組いらっしゃいましたので入口に近いところへ御料人様と二人で腰掛けて。まずは付き出しの【蛸の煮付け】。酒呑みには堪らない、ちょいと辛口の味付けに蛸はほろりと柔らかく。旨いと書いてしまえばそれまでなれども、そこで終わらせたくない優しい旨さ。あー、はるばる北の大地を踏みしめた甲斐があったというものです。
さて、焼きものをお願いしたのですが、出来上がるまでに時間がかかる。その間に摘んでいてね、と出てきたのが【山うどの刺身】です。つか、刺身ですわ。今朝、息子さんが採ってきたという山うどの皮を剥いてささっと氷水にさらして刺身に。考えられない。ウドを生で喰うなんて。ところがこれが苦旨いのですわ。
「新鮮なウドしかできないよ」と言われるのはよく分かる。普通に考えたら苦みが走りすぎて喰えたものじゃない。それがドレッシングで生で喰えちゃうんですから。孝行息子さんに御礼をよろしくお願いします。で、先ほどからお願いしていた焼きものが。【昆布森産 大すけの塩焼き】ですわ。大すけ。これが時鮭など足元にも及ばないと言われる脅威の鮭なのです。
脂乗り最強。喰った瞬間に、うーーんという唸り声しか上がらない。旨すぎる。脂の旨さ。時鮭はきっちりと頂いてきましたが、この大すけの旨さは恐ろしいまで。もう日本酒しか飲めないという恐怖ですわ。なのでお酒お願いします。お隣の先客さんのお陰でついさっき入荷したばかりの【北の勝限定冷酒】を。
あーーー!堪らんぜーー!旨すぎる!鮭の脂と日本酒の取り合わせは凶器ですね。よーし!この勢いで刺身も盛り合わせでいっちゃえーー!ということで【刺身盛り合わせ】は、タンタカ、たこ、大すけ、ほたて、つぶがいという豪勢なラインナップ。つか、大すけ旨すぎて焼きものだけでは満足出来ずに刺身まで。この超贅沢さが堪らない。
水蛸は大ぶりしこしこ、帆立にツブ貝は開きたて。旨くないわけがないという二重否定で、つまりは激旨な訳です。そしてタンタカ。カレイの刺身。えーと、かすかな記憶を頼りに思い出してみたところ、大ぶりのカレイの刺身だったと思います。白身の上品な、それでいて旨味どかーんな素敵アイテム。喰いだしたら止まらない、お母さん、お酒お代わりね。
お隣のお客さんといつの間にやら意気投合しておりまして、【芋だんご】まで頂いてしまいました。何でも頂いてしまうという素敵体質。そして今夜のメインが。ええ、牡蠣です。すみません、牡蠣を五つお願いします。【仙鳳趾牡蠣】だそうです。仙鳳趾は「せんぽうし」と読むそうですが、これがまぁ旨いんだわ。このれは凄い。
まずデカイ。ぶりっぶりに太った身がデカイのです。牡蠣ってのは大きくても大味にならないと言われてますが、まさにその通り。デカイくせに繊細に旨いのですわ。五つのうち私が三つ、御料人様が二つ。当然お代わりします。ええ、喰いますとも。更に五つ追加で私は四つ頂きました。普通です。瀬戸内の牡蠣に比べると倍近いでかさですからさすがに満足。
で、ずっと気になっていた干し魚。でろーーんと長いのがぶら下がっているのですが、これは?おお、鱧ですか!ではそれをいただきます!【鱧の塩焼き】という豪快メニュー。さすがに一尾をそのまんまは無理ですから、身の厚そうな所を見繕って下さいました。この塩焼きがまぁ、ねぇ。旨いのは言うまでもないですが脂がノリノリ!
鱧なんて湯引きにした淡泊なものか、京都の焼き鱧くらいしか知りませんが、これは強烈。大きさもさることながら、その身の厚さと脂の乗りが堪らない。すみません、お酒のお代わりお願いします。当然ですね。そうそう、最初に頂いた山うど。これを行者大蒜と一緒に頂きましょう。【ウドの芽と行者大蒜の天ぷら】。
これも大人の味ですわ。ほろ苦さが酒の甘さで流れていくのが快感なのです。よしよし。では焼き魚さらに行ってみましょうか!【柳鰈の一夜干し」を焼いて頂きます。うは、じゅわっと脂が。基本的に脂の乗った魚の旨さですね。こじんまりとしたお店なれどもきっちりと炭焼きで焼き魚を仕上げて頂けます。先ほどの焼牡蠣もしかり。
さて、そろそろお腹も膨れましたし。ご飯ものの代わりに芋だんごを頂きましょうか。先ほどとは違う【行者大蒜入り芋だんご」というのをお願いします。ふむふむ。これはニンニクの香りが素晴らしい。翌日は大変なことになりそうですが、二人で喰えば怖くない、てなもんですよ。そうそう、お隣に居合わせた方は大阪からの出張だったとか。さらに奥の席には神戸からのご旅行の方。なぜか関西勢がお店の半分以上を占めておりました。
ということで御馳走様でした。意気投合しました地元の御方が旨い酒を明日持ってくるから!と固く約束してお別れ。つか、マジでよく喰いましたわ。この後ぶらりと海を見に遠回りしてホテルへ帰還。実に楽しい夜でした。
二軒目などとても考えられない充実ぶりでした。
初日からぶっ飛ばしすぎだということは自覚しています。
これはすごい!
うまそうなモンがたらふく。
しかし、いつも思うのですがあのスリムな体にどうやって収まるかが疑問です(一度しかお会いしてませんが・・・)
続編に期待w
てつやさんへ
毎年行ってるの・・・うらやましい?^0^
何ぼ大食家でも、2件目にはつらいでしょう。
食探訪の探求をしてますね?
是非行きたい。ですね^9^
8787です。
>8787さん
いや、私は初めてですけどね(笑)
出来れば毎年行きたいですねぇ。
機会があれば是非いってみて下さい、良いお店です!