広島二日目の朝。前日の飲みっぷりの割には宿酔にもならず。旅先で奇跡が起こりました、ええ。というか、胃腸の具合に不安があったので、思ったほど呑んでなかったのかも知れません。ということで朝食をいただきに。
今回のホテルは朝食付きという幸せ。バイキングで軽くいただきましょう。ジュースと冷や奴、サラダにスクランブルエッグと明太子等という訳の分からない取り合わせ。いいんです、取り敢えず何かを胃袋に入れておけば。御料人様もゆで卵やフルーツなどで実に軽く。これからの戦いに備えて。
というのも、この季節。当然のように我が大好物であるところの牡蛎解禁中。季節的にはまだまだ早いので小ぶりではありますが、これを喰わない訳にはいきません。朝食をいただいてから食休みの後、昼食の旅へと。胃腸の調子が悪いといいながらもなんとしても喰いに行くところが我らの正義。
前日、Seanさんから教えて頂いた「柳橋こだに」へと向かいます。向かうというよりもホテルのすぐ裏手、前夜のお好み焼店へと向かう途中という分かりやすい場所。こちらのお店は鰻と牡蛎が名物。というかほぼそれだけ。鰻?牡蛎?両方喰うに決まってるでしょうが。せっかく御料人様と二人なのですから一つずつ。
本来なら、鰻を一人ひとつと牡蛎フライを単品で分けましょう、という所ですが、さすがにちょっと控えます。直前に胃腸薬を飲んだくらいですからね。で、御料人様は【鰻重 上】を。肝吸いの付いた鰻重はなかなかのボリューム。肉厚な鰻は関西風の焼。それにしては身はホッコリと焼き上がっておりますが。
私もいただきます。おー、旨い。なかなかいけますねぇ。といっているところに私の【牡蛎フライ定食 上】がやって来ます。牡蛎フライには並・上・特上と三種類ありまして、違いを聞いたのですが並と上とは牡蛎の量が違う、特上は上にフルーツと小鉢がつくとのこと。フルーツや小鉢に興味は無いが量が少ないのはプライドが許しません。で、上に。
まだ小ぶりとはいえ肉厚な牡蛎フライ。ほくほくに旨い。生でもよかったのですが、体調が悪い時の生食は避けるようにと言われたので牡蛎フライだけで我慢我慢。このタイミングで体調悪化は最悪ですから。それにしても旨い。これは年明けくらいのぶりぶりに肥え太った頃にまた喰ってみたいと思わせますねぇ。
で、御馳走様。ちなみにビールはいただきましたがそれ以上の酒はやめておきました。体調をキープするためには大切な事柄。この後、ぶらぶらと御料人様と二人して街中探索。色街なども横目によさげな店を物色して、御料人様はお仕事で一旦お別れなのです。私はちょっとだけ昼寝の後に更なる街中探索。昼酒を求めて。
しかし残念ながら立ち飲みのようなお店はこの辺りにはありませんでした。帰りの新幹線待ちで知ったのですが、広島駅まで戻れば恐ろしく心惹かれるダメニンゲンスポットがありました。うーーむ、次回は必ず。朝の9:30から呑める店なんて、行かない訳にはいきませんから。
そしてその夜。実は今回の広島で是非とも行ってみたかったお店へとようやく辿り着くことが出来ました。「活魚 天ぷら 旬肴」へと。数年前、日本でBSEが発生し、焼肉業界が騒然とした頃に広島にて”全国焼肉サミット”が開かれまして。その時に時間があれば行こうと思いつつ、会が盛り上がりすぎて結局行くことが出来なかったといういわく付きのお店。
こんばんわ、二人いけますか?「どうぞどうぞ」と迎えられ、まずはビールで乾杯。カウンター9席と座敷一席という小さなお店。いやー酒飲み心をくすぐります。まずは【先付け】。これがなんとレバーの煮付け。うわぁ、懐かしい味。濃いめの味付けをぎゅっと煮込んだ逸品。どことなく懐かしさが込み上げる旨さ。たまらん。
さてそれでは何をいただきましょうか。いや、本当は決まっているのですけどね。揚げ物です。「今から油を温めるから時間かかるよ」。はい、待ちますとも。待っている間に【エイの肝】をいただきましょうか。以前、大阪ツアーでいただいたことがありますが、こちらのエイ肝は豪快です。ザックザクカットのエイ肝。
これがまぁ、旨いんだわ。ねっとりとしたチーズの旨味。世間では臭みというかも知れませんが、それがいい!ただ、あんまりたくさん食べると胸焼けしそうな気もしますが。というよりもビールよりもシャンパンや白ワインに合いそう。これはいいわ。続いて揚げ物が完成。【センジガラ】です。おおっとこれはこれは。
「ホルモンの天ぷらです」だそうです。ホルモンと聞いては喰わない訳にはいきません。てっきりてっちゃんか小腸だと思っていたら、これ、ガツですね。豚の胃袋。かなりしっかりと歯応えもあって、よく噛んでいると旨味の脂が染み出す酒の肴。うはー、堪らんわ。そしていよいよ本日の本命がやって来ます。
【レアビーフカツ】です。もうね、これを食うためにやって来たようなモンですわ。メニューには一人前とハーフの二種類。「二人だったらハーフで大丈夫」と言われて、いや、喰いますよ、といいたかったのですが、残念ながらまだまだ本調子ではないですから今回はハーフで。つか、ハーフって言っても普通のヒレカツサイズが三本です。
あのね、多すぎ。超多すぎ。いつものメンバーの焼肉王子や走る人には一人前でもいいかも知れませんが、通常はハーフで二人で十分。で、食べ方なのですが、一本(単位を本にします)はレモンで、一本はマスタードで、一本はそのままで。取り敢えずレモンで。う、旨ーーー!これはイイ!見事にレアなビフカツの旨味!
なんて言うか、赤身の旨さなのですよ。サシの少ない部位を表面を香ばしくなるほどカリッと、芯をわずかに温みが感じられる程度にレア。これは本当に旨い。そのままでも当然旨い。粒マスタードをつけるとそれも目先が変わって旨いです。御料人様と検討の結果、そのままが一番旨いということになりました。
ちなみに塩をぱらりとふりかけてありますので、その塩で喰ってる訳ですね。あー堪らないわ。てな事をいいつつ楽しんでいるところに作業服の方が機械と共に登場。え?カウンターで漏電ですか?それは怖い。ということで、漏電検査を肴に焼酎の湯割。いやー大変ですねぇ。火事とかになっちゃあ大変ですからね。
なんでも創業二十年。その前はスタンドだったお店を改装しての営業なので、電気配線などよく分からないとか。そりゃあ大変です。で、無事に検査も終了。やばいコンセントを当面使わないことで解決。よかったよかった。では焼酎のお代わりお願いします。こういうイベントを楽しめないと旅の魅力は半減ですわ。
そろそろ次のメニューを。「しめ鯖が評判いいですよ」。ではそれを。【炙りしめ鯖】ってしめ鯖を炙るのですか?そりゃ凄い。皮面を軽く炙ったしめ鯖。酢のきつさが和らいでちょっと甘味が増した感じ。これは旨い。えーと、ちなみにしめ鯖もほぼ半身の大きさ。デカイです。食い応えはありますね。そして旨いです。
カウンターに若手の方三人が頼んでいるのを見ていたのですが、取り敢えず一皿の盛りが凄いです。野菜の煮付けも大きめの皿にてんこ盛り。これは4〜5人でガッツリ食べるのに向いている店ですね。ということで軽く【ラッキョ】をいただきます。このラッキョ、甘味控えめ酒の肴、実に旨い。旨いのですが今あるだけで終わりだそうです。
ちょうど今年のラッキョをつける季節にお母さんが怪我されて漬けられなかったとか。それは残念。なので我々が無くなる前にいただいておきます。ご機嫌で喰っていると「ウチで採れた【ルッコラのサラダ】どうぞ」と頂いちゃいました。無農薬の取れ立てルッコラ。旨くない訳がない。ちょっと苦みが焼酎に合う。うひゃ。
とまぁ、なんのかんのとかなりしっかりと喰っちゃいました。実はこの後人と待ち合わせだというのに。ということで御馳走様でした。いやーこれは旨かった。今回は残念ながら無かったのですが、レバ刺も相当旨いという噂。次回は必ずいただきますよ!と心に誓うのでした。そして待ち合わせ。何度か原酒店で偶然であったお客さん。その方となぜか広島の地で。
無事合流してどうしましょうか?私達結構喰っちゃったのですが。では軽く焼き鳥など。と、連れて行って頂いたのが「野球鳥ひろしま」というお店。広島では有名なお店だそうです。後ほど昨夜のSeanさんとも待ち合わせてますから、とりあえず呑みながら待ちましょう。で、お久しぶりですの乾杯はビールで。
このお店、何が面白いかというとメニューの名前が広島の選手名。へー、と店内を見渡せば広島の選手のサインやグッズ、写真などが所狭しと。これは本当に広島ファンの社交場ですねぇ。で、焼き鳥を。適当にお任せでいただきます。いや、本当私達腹一杯ですから。適当に摘みますのでどうぞどうぞ。
というところでSeanさん合流。もう一度乾杯!いろいろと楽しく談笑したところで河岸を変えましょうか。私達夫婦とSeanさんはここで。それではまた機会がありましたら呑みましょう!と御馳走様。さて、それではどうしましょうか。え?ちょっと面白いバーがある?ではではSeanさんの先導で次の店へと参りましょう。
ついたところは「NIKKA Bar 今市」というお店。いや、これは凄い。お店の入り口からして完全なるNIKKAバーですわ。こういう徹底的なお店は実に楽しいのです。Seanさんによると偏屈なご主人とのことでしたが、まぁ馴染む馴染む。まるで十年来の常連かのようにお店に馴染む自分。楽しい。マジ楽しい。
あ、そうそうお酒ですね。えーと。【ハイボール】をお願いします。酒は当然NIKKA、それも伊達を使って頂きます。これが非常に旨いのです。いいなー、酔いしれるなぁ、この雰囲気に。ご主人の楽しいお話を聞きながら、広島の夜は更けていくのです。いやぁ楽しかった。どうも御馳走様でした。
翌日はお仕事のSeanさん、そしてちょっと足を伸ばす予定の我々。このあたりで終わりましょう。それでは今度こそ本当に、また楽しく呑みましょう!とお別れ。さすがに三日間も引っ張り回すのは心が痛みますから。というわけで昨日今日の二日でコウネとセンジガラいただきました。
広島のちょっと変わった肉メニュー制覇です!
まだいくつかあるのでそちらは次回に。
うなぎ・かき・スッポン専門食事処 柳橋 こだに
広島市中区銀山町1-1-2F
TEL.(082)246-7201
活魚 天ぷら 旬肴
広島県広島市中区流川町4-22
TEL.(082)242-1041
野球鳥 中の棚店
広島県広島市中区立町5-15
TEL.(082)248-8989
NIKKA Bar 今市
広島県広島市中区堀川町4-8-2F
TEL.(082)249-3333