釧路にて’09〜第四日目〜最後まで気を抜かずに喰うべし

いよいよ釧路最終日。また喧噪の現実へと戻らねばなりません。このまま時間が止まればいいのに。ま、実際時間が止まっても自分も止まるわけで、そして再び動き出した時には止まっていたことにも気付かないのに。と、昔から疑問に思っておりました。ええ、どうでもいいですね、そんなこと。

ホテルのビュッフェで軽く朝食を摂って、私達が向かうのは前日「みかさ」で偶然ご一緒したオネエサマ方に教えて頂いた回転寿司。過去、金沢・富山にてその底力に心奮わせた回転寿司。ここ釧路でもきっと旨いことでしょう。というわけでお店へと向かいます。「まつりや 新橋店」が今回のターゲット。釧路市内に三軒ほどあるそうですが、一番近かったということでこちらへと。

ぼちぼちと歩いて30分ほど。小雨が降る中お店に到着。すでに駐車場には車が止まっています。開店時間2分前ですが入れてくれないかなぁ、と入口前に突っ立っていたら「中でお待ち下さい」とお店のお嬢さん。ありがとう、あなたは天使のような人だ。中で待たせて頂くことに…というか、その途端、車からぞろぞろと人が入ってくる。

どうやら皆さん開店待ちだったようですね。結果的に一番乗りになってしまいました。しばし準備待ちの後、席へと通されて。さぁ、では頂きましょうか!飲物は当然ビール!まだ午前中(11:30)ですが旅の食事はビール付きなのですわ。さてさて、ビールといえばまずはあれでしょう。北海道名物【ザンギ】をいただきましょう。

回転寿司なのにザンギから。ええ、今回食べ損ねちゃったのです。なのでここで喰わねばあとがないという背水の陣。いただきましょう、何でも塩ザンギだそうです。ザンギにも色々と種類があるんですねぇ。で、がぶり。うん、旨い。旨いけど普通の鶏の唐揚げ。なるほど、塩ザンギってのはそのまんま鶏の唐揚げですね。つか、ザンギってのが唐揚げの総称らしいです。

いや、もうね、これはこれで新しい知識ということで納得です。では改めまして寿司を喰いましょう。コンベアーに乗って回転している皿を取るのもよし、紙に書いて注文するのもよし、店員さんに直接注文するのもよし。通された席が割と下流だったので、欲しいネタがなかなかやって来ませんからいつものように注文しまくり。

まずは【時鮭の筋子】の握りから。時鮭の筋子は小粒なんですよね。いわゆるイクラのような大きさにならないのです。そしてほぐしていないからそのまんま握れてしまう。これが旨いんだわ。小粒のイクラが口の中でぷちぷちと弾けるところを想像してみて下さい。磯の香りが口腔内を占めていく幸せ。あーたまらない。

続いては軍艦で【北海道産ウニ】を。もういうまでもないですね。濃厚なウニの旨さ。何でも北方四島からのウニだそうです。この旨味はたまらない幸せ。【活北寄貝】も握り。今回ホッキ貝よく喰っているような気がするのですが気のせいでしょうか。生のホッキは実にあたりが優しくて素晴らしい。旨い旨い。醤油なんて必要ないほど濃厚な旨味。

白身もいただこうと【タンタカ】の握りを。カレイの一種だそうで、美しいその白身は澄んだ旨味を感じさせてくれます。蟹も喰いましょうか。しかも爪なんてのを。【ズワイガニの爪】を握り。握りといってもそのまんまでは握れないので敢えていえば乗せているだけ?これはほぐしてしまうと楽しみがないので仕方のないところでしょうか。

 
【ホヤ】は軍艦でいただきますあのグロテスクな外見からは想像も出来ない旨さ。磯の香りが強く、北の海を丸ごと頬張るような幸せ。そして【オヒョウ】を。こちらは大カレイ。かなり大きいそうなのですが、淡泊で実に優しい味わいの白身魚。結構好きですよ、このオヒョウってのは。まぁ実物は相当引きそうなくらいデカイらしいですが。

 
ちょいと変わったところで【ニシン】など。ポン酢を垂らして頂きましょう。うは、いいねぇ。青い魚は大好きですからね。昨日も鯖を握って頂いたし。この季節のものはやっぱり頂いておきましょう、ということで【時鮭】も。相変わらず旨いです。やっぱり季節のものを現地で喰う以上の旨さは無いんでしょうねぇ。幸せ。

ちょいと変わったメニューを発見。取り敢えず注文してみました【トロタク】ってのを。何だか某タレントさんの呼び名みたいですが。やって来たのは巻き寿司。へぇトロと…沢庵ね。でトロタク。そのまんまじゃねえか、と喰ってみると案外旨い。トロの脂とタクアンの食感が何とも楽しいのです。まぁ一度喰ったらもう分かりましたって感じになるのは仕方のないところ。

 
そして【クジラ】握りでいただきます。最近はなかなかクジラはお目にかかれないですからね。こういうところでリーズナブルにいただくのが吉なのです。旨いわぁ。更に【クジラユッケ】も。軍艦にきっちりと味付けしてあるユッケ状のクジラ。ウズラの卵黄でいただくと何とも濃厚な旨さじゃあないですか。いやー、旨かった。

まだまだ喰えないこともないですが、この辺りで終わっておきましょう御馳走様でした。次回釧路に来ることがあれば、他の店舗の方にも行ってみましょうか。何でも店ごとに微妙に旨さに差があるとか。こういうのは非常に気になるお年頃なのです。

さて。このまま帰ってしまっては何となく寂しいので、お土産というか機内食用に買い込まねばなりません。実は最近出来た釧路名物があると聞いて居ても立ってもおれなかったのです。お土産ものを多く扱っている釧路フィッシャーマンズワーフ「MOO」へと向かいます。基本的にお土産をあまり買わない方なのですが、今回はどうしても。

お目当ての品はすぐに見つかりました。【さんまんま】という代物。こんな名前のテレビ番組もあったように思いますが気のせいでしょう。これがなんとも素敵なのですわ。炊き込みご飯にサンマを巻き付けて焼いている、というと乱暴ですが、まぁ大筋間違っていません。香ばしい匂いが食欲をそそるのは当然でしょう。

すぐ側で生ビールも売っているので、思わずこの場でいただきたくなったのですがそこは我慢。帰りの機内に持ち込んで、バイオテロのように喰うのです。匂い撒き散らし。当然のように最後の福司を空港で購入してこちらも持ち込んで。では頂きましょう。このパッケージ、実は本当に竹皮なんですよね。恐らく圧着成形してあるようです。

で開いてみればサンマ。季節が全然違うので、冷凍だろうとは想像に難くないのですがこれだけしっかりと味付けされていれば特に気になることもなく。早速いただきます。うは、これは旨いわ。ワンコイン(500円)でこれなら酒の肴に十分。ちなみに二本買ってあるのは夜もこれを喰うつもりだから。福司のワンカップとさんまんま、最強です。

次回からも帰りの機内食はこれに決定しました。東京から新幹線で帰る時の深川飯とこのさんまんまは最強の弁当ですね、ええ。ということで今回の釧路の旅、ようやく終焉を迎えました。何といっても今回はまったく店のハズレがなかったという快挙です。「ひょうたん」「イオマンテ」「みかさ」「むらかみ」「まつりや」そして「さんまんま」。

やはり御料人様の旨いものセンサーにお任せが一番間違いがなさそうです。ヘタに私が口を挟むとろくな事にならないような気がします。ということで、また来年も釧路に来られることを心から祈ります。当然、御料人様と二人で。

旨いものGPSがいないと路頭に迷ってしまいます。
釧路旅行記に長々とお付き合いありがとうございました。

今回のお店:
創作回転寿し まつりや
北海道釧路市新橋大通1-1-19
TEL.(0154)21-6777

魚政(さんまんま)
北海道釧路市錦町2-4釧路フィッシャーマンズワーフMOO内
TEL.(0154)24-5114

2 comments to “釧路にて’09〜第四日目〜最後まで気を抜かずに喰うべし”
  1. 8月に久々に実家の釧路に帰省するのでネタ探ししてたらここを見つけました、いや素晴らしい!(笑)
    地元の店が色々と!私が知らなかった店まであるので今回の帰省の時の参考にさせてもらいます。
    しかし前回は白糠まで寄ってるとは・・・!
    「さんまんま」あの値段であれは美味いですよね!ただし取り寄せになると値段がいきなりアップするのが難点ですが・・・
    釧路は結構B級グルメもあったり「何でもあり」なんですが御料人様のセンサーのスゴさに驚嘆しております。
    まだまだ楽しめるトコもありますのでこれからも釧路を御贔屓にお願いします、何なら情報提供もいたします(笑)これからも楽しく見せていただきます。
    鱒寿司の富山より(笑)

  2. >ろめおさん
    はじめまして!
    訪サイトありがとうございますw
    釧路は二回目でしたが最早私達の故郷です。
    白糠の肉三昧も楽しかったです!
    もし参考になれば幸いです。
    さんまんまの意外な旨さに目から鱗でした。
    次回も必ず喰おうと心に誓っていますw
    もしかして富山在住ですか?
    アチラの方も美味しい店が多いですよね。
    今年はまだ行けていないのですが、旨い魚が喰いたくなっちゃいますw
    これからもよろしくお願いします!!

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