それでは早速、……早速? すみません、“ようやく”調理を始めます。
まずは鍋を温めながら牛脂を引きます。この時にしっかりと脂を溶かしておくと、この後作業がやりやすくなります。十分に脂がまわり鍋が温まったら、一枚の肉を敷きます。その上に適量の砂糖と酒と醤油を回しかけ、フタをします。一呼吸置いてすぐに、野菜を放り込み、豆腐・糸こんにゃく・エノキも入れます。水で戻しておいた焼麩も軽く絞って入れます。そしてフタをしてしばらく待ちます。
大抵は、この空き時間に何かつまみながら待つのですが、意地汚い私たちは、すでにつまみの天ぷらを食べてしまっていたので、仕方なく鍋をにらみます。にらんだからといって早く出来る訳では無いのですが、そうすることしか出来ない自分が恨めしいです。
さて、そろそろ煮上がってきたところで味見をして、調味料を追加します。更に、肉を放り込みフタをします。肉に火が通りすぎないように気をつけながら、最後に春菊を入れて一煮立ち……。あ……、春菊を買い忘れていました。
買い出しの時に何か忘れていると思ったのですが、春菊でした。かなりの敗北感が漂います。しかし、無い物は仕方ありません。玉子を軽くときながら仕上がりを待ちます。
今回も長くなったので次回に続きます。
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