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金沢の街は空が高いのです。余り高い建物がないので、空の高さと広さを感じます。もっとも、暑さに耐えきれずやや日が傾いてからの出発ですが。
これから向かう店は、同行者様が以前に行ったことがあり、なかなか雰囲気も味もいいと言うことで決まりました。と言うよりは、私が相変わらず半死人なため、店を探して彷徨くことが不可能なのです。申し訳ない。
30分ほど歩いたところにその店はありました。ここもカウンターだけのお店。富山のお店よりは広い作りです。で、カウンターの端に座ります。「いらっしゃい」。いらっしゃいました。よろしくお願いします。
えーと、私はビールで。ええ、流石に日本酒はちょっと。ビールで頂きます。ビールと共にやってきた突き出し。これは。枝豆は分かるとして、この黒いのは何ですか?「金沢名物のどじょうの串焼きです」。おー。なるほど。柳川鍋は食べたことありますが、串焼き。いいですねー。苦みが何とも酒欲を誘います。
で、この海藻っぽいのは?「金時草(きんじそう)です」。おー、これも名物ですか。なるほど。とろりとした食感がたまりません。モロヘイヤみたいです。旨。これも酒欲をそそりますねー。
ご注文はですね、(半死人で)よく分からないのでお任せします。造りと焼魚で。はい、お任せに限ります。やって来ました造りの盛り合わせ。イカ、カンパチ、ヒラメに甘エビ、しめ鯖。鰯のタタキはポン酢でどうぞ。頂きます。おー旨ー。何とも魚が旨い。とろけるように旨い。とろけるのは私の鉛の身体。あー堪らんす。
「焼き魚です、まずは甘鯛」まずは、まずは、まずは!旨。「骨まで全部食べられますよ」ええ、骨まで皮までぺろりと、旨。上品な塩加減といい、淡泊な白い身に香り立つような甘鯛。旨。日本酒呑みて。
続いてはハタハタ。これも綺麗な魚ですよ。コイツも背骨ごとばりばりと頂きますよ、旨。なんじゃこりゃ。どれだけ旨い。これだけ旨い。うん、そんな感じ。魚に対する褒め言葉を余り知らない私ですので、言えることはこれだけ。“喰え、いいから喰っとけ”ですよ。四の五の言うより喰えば分かる旨さ。あー日本酒欲しい。
さて、ここでちょっと箸休めな感じで「赤貝のぬた」ですよ。もうね、ぬた好き。大好き。しかもこれが甘すぎず、実に程良いお味なのです。よく、やたら砂糖甘いぬたがありますが、これは違います。まさに酒の友。あ”−日本酒が欲しい。
そして「鯖のへしこ」がやって来ます。「日本酒に合うんだけどね」はい、日本酒ください。もう大丈夫。もう生き返りました。こんなもん、日本酒なしで喰えないですよ。旨そうで。あ、お酒は常温でいいですよ。燗にするのはもったいないです。
で、この“へしこ”ですが、鯖を三枚に開いて、ぬか漬けにしているそうです。あれですよ、ふぐの子を同じ、例の酒の肴です。では、早速お味見を。って、旨。塩辛くて日本酒がすすむすすむ。…けれども前日の反省から、飲み過ぎませんよ、ええ。多少は学習しているのです。
最後に、メニューで気になって仕方がなかった物。“万十貝”をいただきます。えーと、これは的貝の当て字でしょうか?聞くと「まんじゅうがい」だそうです。ほうほう、どうやって食べるのでしょうね。っておもっていると焼くそうです。うむ、焼貝。いいですね。じゃあその間にお酒のお代わりを。
やって来たのは二枚貝の焼貝。味噌味ですか、あーいい香り。一口食べると、得も言われぬ美味。いやーーー、なんですかこれは。酒酒、日本酒ちょうだい、ってなものですよ。生きてて良かったよ、生き返って良かったよ。
これで、お店のメニューで気になっていた物は全て食べさせて頂きました。うん、死ぬほど満足。あー、と外では何やら花火の音が。ほう、本日は花火大会ですか。どうやら、道すがら見ることが出来そうなので、このままお暇しましょうか。ごちそうさまでした。ほろ酔い加減でお店を出て花火を見ながらホテルまでの帰路に着くのです。
って、結局日本酒呑んでるじゃん、私
まぁおとなしく呑んだので、自分的には結果オーライの方向で。
今回のお店:寿司「八起寿し」
石川県金沢市長町1丁目3番地51号
TEL.(076-265-7639)
2004年8月14日 13:19
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 北陸で旨いものを考える 〜金沢で喰らう編〜
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