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昨日の続きです。
満腹になった腹を抱えてお店を出て、さてこれからどうしたものか。前回は飛び込んだ店でつぶれるまで飲んでましたので、そこ以外の店を知らない。なのに店は閉まっている。八方ふさがり。そういう時には原点に戻ってみます。
という訳で、雪で足を取られながらも、最初に行こうとして閉まっていたお店へ。まかり間違って開いていたら入ろうかと。ま、当然閉まってますがね。そりゃそうだ。こんな時間から開店する訳がない。仕方がないので、更に町を彷徨ってみましょうか。
と、目についたのはBAR。ほう、こんな所にあったとはまるで気がつきませんでした。ってことで、一杯ひっかけてホテルに帰ることに致しましょう。店はカウンターだけの、でも充分に広いショットバー。隅の席に腰掛けて、冷えた体にジンを頂きましょうか。ボンベイサファイアをロックで。
さて、このお店なのですが、当初の目的の例の店のすぐ並び。世間話などしてますと、やはりこの近辺の飲食店事情にお詳しく。そこで聞いたところによると、やはり件の料理店は有名な板前さんが趣味のように開いているそうで。道理で旨いし勘定がドンブリだったわけです。
そんな裏話などを色々と仕込んで、二杯ほど強めの酒で喉を潤しご馳走様でした。ホテルに帰りましょう。時間はまだ日付が変わる前。普段の飲み歩きなら早いくらいですが、明日の朝には大いなる野望が待っていますから、早めに就寝するのです。
その大いなる野望とは。って大仰なものではなく、単に富山名物「鱒寿し」を買おうと。ええ、全くそれだけです。たったそれだけのことなのですが、事は簡単にはすすまないのです。実は前回の旅行でも買う気満々だったのです。
ところが、残念なことに溺死してしまいまして。ご承知のように酒に溺れて、朝は起きられず。ようやく動き出した頃には売り切れ完売。仕方なく次回へ持ち越し。その次回というのが今回な訳ですよ。つまり、過去の未来は現在という輪廻。いや、輪廻じゃないか。まぁ、そんな感じ。ニュアンスだけで放言しています。
お店の方は前もってチェックしてますので、問題なし。むしろ問題は起きることが出来るのか。ええ、出来ました。今回の「酒を控える」という作戦が功を奏し見事な寝起き。がばっと起き出して鱒寿し購入へと動き始めたのです。えらい、ここ最近で一番えらかったよ、僕。
で、購入の旅の始まり。旅と言ってもほんのご近所。なぜなら、そこへとお買い物に行くために選んだ宿だからです。そのくらい、本気で挑んだ鱒寿しなのです。てろてろと歩いて数分。目的のお店「鱒寿し 紀雅」さんを発見。ほうほう、立派なお店ですねぇ。早速入りましょうか。
お店は実にシンプル。作業場はガラス張りで、購入カウンターには鱒寿ししかない。選択の余地は「特撰」「二重」「小」などというわかりやすさ。ここは当然の「特撰」と頂きましょう。なんでも、一本釣りの桜鱒を使った寿しだとか。魚が入らなければ作らない、という分かりやすさが心に響きます。
そして、ノーマルに「一段重ね」も一緒に。両方を食べ比べましょう。ええ、ホテルに帰って食べるのです。が、ここで思いもかけないお言葉。「早くても今日の夕方まで熟成させてください」と。ええーーー!
なんでもなれ鮨の一種なので、充分に熟成しないと旨味がないと。ほうほう。そうまで言われては仕方ありません。旅が終わってから自宅にて頂くことに致しましょう。
さて、そうなると困るのは本日の御朝食。この鱒寿しを食べる気満々でしたから、今更ミスタードーナツって訳にもいきません。仕方ない。こうなれば、金沢への移動中に駅弁の鱒の寿しを頂きましょう。
そんな経緯で、鱒の寿しを二つぶら下げているというのに、更に鱒の寿しを購入という暴挙に出てしまうのです。
ここでも、「ぶりのすし」と「ますのすし」のどちらを買おうかと、同行者様と議論の末、やはり初志貫徹で「特選ますのすし」と決まりました。ええ、私たちは食べることに妥協は許されないのです。常に死と隣り合わせの一大選択になるのです。
この「特選ますのすし」、富山駅の中で購入できます。つまりは駅弁そのもの。うん、素晴らしい。更に恐ろしいのはワンカップに「立山」の熱燗があること。これがね、金沢まで移動してぶらつくことになっていますから、さすがにお昼から日本酒熱燗は…。
泣く泣くビールにしておきました。サッポロ黒ラベルに。え?昼間はビールもダメですか?いやいや、旅行ですから。うん、旅行中は構わないのですよ、私が決めました。
とまぁ色々とあって、ようやく食べることの出来る鱒寿し。はい、もう頂きますよ。旨い。旨いよ。確かに「駅弁フェア」などで食べたことのある鱒寿しですが、特選というだけあって魚が厚い。分厚くて旨い。鱒最高!
がつがつと喰らいながら、ここで失敗が発覚しました。「鱒寿しにビールはイマイチ合わない」のです。何て言うのかな?こう、微妙に魚が生臭く感じるのです。これはいけない。
私たちと同じように「昼間だから、鱒寿しとビールにしておこう」とお考えの方がいらっしゃいましたら、その考えは改めたほうがいいです。例え真っ昼間。お日様が頭上高く燦々と照らしていても、ここは絶対に日本酒に決定です。そして、出来れば地酒である「立山」か「銀盤」のワンカップを!
はい。私たちは次回は必ず日本酒で頂きます。ついでに言えば、前日に紀雅さんに乗り込んで購入し、一晩寝かせて立山熱燗とともに電車で食べます。ええ、それが今回得ることが出来た教訓です。皆さんも是非これを実践してみてください。
こんな莫迦が日本中でどのくらいいるのか分かりませんが。
莫迦なことほど楽しいものなのです。と、言い訳しておきます…。
今回のお店:鱒寿し「紀雅本舗」
富山県富山市上本町8-6
TEL.(076)421-1324
2005年2月16日 18:05
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 北陸で冬の味覚に出会う〜覚醒篇〜
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