そして五日目に突入。初日はともかく、二日目の町歩き、三日目のジョギング、四日目のツアーと思いの外バラエティに富んだ満喫の仕方をしております今回の旅。普段ならほとんど街中で終わってしまうというのに。それならばと、さらにハワイらしく過ごす一日としましょう。

まずは何はともあれ朝食から。一日はきちんとした食事から始まります。というのに、今回はビュッフェを使いません。部屋のラナイからの風景を楽しみながら朝食。朝食全部をビュッフェというのも味気ないですから、一日くらいは部屋で喰いましょう。で、今までならデリで買い込んでくるのですが、この日は前日のツアーの戦利品が。

そう、【Banana Bread】です。お土産に大量に買い込んでましたが、そのウチの一本を朝食としていただくのです。当然バドワイザーは開けます。ビールとブレッド。ハワイの朝は病んでいます。それだけではあんまりなので、同じくツアーでいただいた【カットフルーツ】も。朝食にフルーツ。何とも優雅じゃあないですか。

このバナナブレッドなのですが、何とも旨いのです。みっちりと詰まった食感がいい！そして見た目がチョコケーキのようなのに、味の方は甘すぎず優しいのです。あー、こりゃ旨いわ。更にフルーツも新鮮ジューシー。日本ではほとんどフルーツを食べない私でもがっつりといただける旨さ。やっぱり本場ものは旨いです。

すっかりと腹くちたので早速本日の予定。なんと、ビーチで遊ぶ。かつて無かった新しさ！あんなクソ暑いところに出て行こうという無謀さです。

ま、遊んでいたのは主に御料人様。なんでも結構いいシュノーケルのポイントがあるそうで、肉眼でも魚が泳いでいる様が見れるとか。一応私も泳いで魚の様子など見ましたが、御料人様に至っては眼前数十cmでウミガメと遭遇したとか。ハワイではウミガメに触ると罰金刑。なので必死で逃げてきたそうです。鮫でもないのに。

このあとシャワーを浴びて昼食へとお出かけしたのです。やはり丸一日ビーチ等という無謀なことは出来ません。正午あたりで早々に切り上げて、いつものように我らのお仕事「喰う」方へとシフトするのです。

ついでに再び御料人様は浴衣で。私は甚平という古式ゆかしき湯上がり夕涼み衣装。真っ昼間ですが。初日に眠さでフラフラだったので、せっかくだから今回もということに。ちょうどシャワー浴びた直後だし。御料人様がまだ下駄慣れしていないのでご近所ホエラーズビレッジの「Hula GRILL」にて。

さてメニュー選択。今回の旅はどうしてもチーズバーガーから離れられません。【HULA CHEESE BURGER AND FRIES】です。店の冠付きのメニューはどうしても外せないですからね。そして飲物は【MAITAI】です。相変わらずアルコール度数はきっちりと高め。でも美味しい。マイタイをちびちびと呑みながらハンバーガー待ち。

やって来たのは、あーもうね、莫迦だろう？てんこ盛りのハンバーガー。何だろうこの充実感。というか圧倒的な威圧感。そしてよくよくメニューを見てみれば「Maui Cattle Company」の肉ですよこれ。今回のテーマであるところのマウイ牛じゃーないですか！よーし！張り切って喰っちゃうよ！がぶり！肉汁じゅわっ！う、旨ーーー！

いや、これは旨い。パテの圧倒的な旨さ。サシではなく肉汁。肉から染み出す旨さ。た、堪らん！そして付け合わせのポテト。...（別の意味で）堪らん...。量が多すぎ。莫迦？莫迦なの？ハンバーガーのボリュームと同じくらいのポテト。でも旨いんだ、これも。さすがに夕飯時に全く入れない混み具合な理由がよく分かります。

ま、完食しましたけどね。途中マスタードで味を変えながらですが。これだけをストレートでは辛すぎます。そして御料人様のメニュー。飲物は、えーと。何だかこの店の一番人気メニューだとか。イチゴっぽかったような気がしない訳でもないですが思い出せません。ま、いいです（Lava Flowだそうです。和訳：溶岩流）。問題は食い物のほうなんですからね。

【SMOKED TURKY SANDWICH】はその盛り具合からしておかしい。プレートからはみ出さんばかりのターキー。ソースはアボカド。付け合わせはコールスロー。これ、爆発的に旨すぎる。ターキーとアボカドソースの相性は滅茶苦茶にいいです。ターキー自体は以前のテーマにもなっていましたが、このターキーが実に旨かった！

ということで御馳走様でした。大和魂ですっかりと完食。というか、普通に旨すぎ。思いの外ぺろりと喰いました。しかし、喰った時間がわりと遅めだったのと、喰った量が想定外に多かったこともあり、夕食のメニュー選択に難航してしまいました。

ええ、もう夕食です。間は一切なし。つまり昼飯を喰った直後から夕飯用に腹を減らす必要があるというカロリー計算とかエンゲル係数とかそういった現世のしがらみから完全に離脱なのです。そんな理由で着替えてまたまた歩きます、隣町。片道7〜8kmの夕飯行脚。例の如く結構危険な道路際をてくてくと。

夜の戦闘場所はタイ料理と決まりました。ハワイのタイ料理は結構美味しいということなので。お店は「THAI CHEF RESTAURANT」という素敵なお店。どこが素敵かというと、例の如くお酒を扱っていないお店。にもかかわらず酒が呑める。なんとアルコールの持ち込みがオッケーという太っ腹。早速ABCストアでバドワイザー半ダース買い込み。

席に通されてからバドワイザーで乾杯。まずは前菜の【生春巻き】。どどーーんと、随分と太巻きな生春巻きが二本。仲良く一本ずつ。ナイフとフォークで切っていただきます。中身は基本的に野菜。これを辛酸っぱいタレで頂くとまさにビールの友。ガンガンと呑んでガンガンと喰う。旨い！たまには野菜も喰ってみると旨いのです。

そして付きのメニューはスープ。タイ料理でスープといえばこれでしょうと【トムヤムクン】を。しかも無謀にも辛口で。日本において、辛口のタイ料理・インド料理・韓国料理を軽々とクリアしてきた自負から、まぁ大丈夫だろうと注文したのです。が、これがアータ、インド人もびっくりです。あのね、一口喰ったらビールが一本呑める辛さ。

でも辛いだけではなくて旨いんですよ、これが。なもんでどんどんと喰う。辛い。でも酒を呑んだらまた次も辛くなるからそのまま更に喰う。更に辛い。これをどんどんと繰り返すのです。途中御料人様は飽きてきてしまったそうですが、私は日本を背負って喰っているのですから負けられません。食い続けます。

その内次のメニュー【イエローカレーとライス】がやってきたので、そちらは主に御料人様任せ。で喰い続けるウチにとうとうやってきました。そう「K点越え」の瞬間が。その瞬間から辛さは単に旨さに変わりました。辛いもの好きには分かっていただけると思いますが、ある一点を超えると、そこから別の味風景が広がるのです。

K点、すなわち辛さの痛点を越えたのです。あー旨いわ。底に行くほど唐辛子濃度が濃くなるのですが、辛くも何ともない。この状態でイエローカレー喰ったら、辛口じゃなくてカレーの王子様クラスの甘口に感じてしまいました。野菜の甘味が旨ーーなのです。本当は辛いはずなのに。いやー、すっかりと完食。御馳走様でした。

今回は量は少なかったですが、辛さという新しいステージで見事勝利させていただきました。もう我々に怖いものなどありません。この後、ホテルに戻ってバドワイザーとビーフジャーキーで勝利を祝って乾杯などしておきました。

もっとも、恐ろしいのは翌日のトイレなんですけれどもね。
朝のことを想像すると恐ろしくて眠れません。寝ましたけど、ぐっすりと。

2008年10月 6日 18:32