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2009年1月13日 火曜日
お江戸の旅2009その壱「西口やきとん、かつ万、bevi、和助」
毎年一月の中旬は、御料人様のお仕事をダシにして東京へとお出かけしております。今年も例に違えずに二泊三日のお江戸の旅。しかし、今回はえべっさんと重なってしまいました。九日から十一日まで見事なまでに。ということでお昼の間に「柳原蛭子」へとお参りに。例年、屋台で飲み食いを楽しみにしているのですが、さすがに今回は見送りました。笹飾りをいただいて早々に退却。途中、宮崎牛のノボリを見かけて、そのまんま知事の活躍をお祈りなどしたりして。えべっさんというよりは福禄寿に似ていましたが。七福神にあやかりましょう。
さて、欲望という名の東海道新幹線に飛び乗って一路江戸への旅。昼飯を喰う暇がなかったので駅弁を買い込んで。【神戸名物すきやき駅丼】という、初めて見た名物をいただきました。あまり期待はしていませんでしたが、それなりのお味。前日のすきやきの残りのすっかりと味が染み込んだ牛肉風でこれがこれでなかなかイケました。
名古屋に近付く辺りからあいにくの雨模様。これから向かうお江戸での波瀾万丈な旅程を示すかのよう。いや、何もやましいことはございません。ただ旨いモンを喰いに行くだけのいやしんぼう。軽く仮眠などとりつつ、缶ビールなどもいただきつつ、間もなくお江戸へ到着。その前に、浜松町の手前あたりにある宮崎牛の看板など写真をぱしゃりと。
又聞きで申し訳ないのですが、宮崎牛はほとんどを東京で集中管理しているとか。現在の知名度にまで押し上げる努力、近年の銘柄牛にとって大変興味深い販拡方法ではと思います。その辺りはまた機会があれば。ということで何はともあれ東京駅に到着。
さて。御料人様はお仕事なので後ほど合流につき取り敢えず荷物をホテルに預けて街中探索へと出発します。両国のホテルから再び浅草橋へと。向かうは「西口やきとん」に決まっております。が、時間が早すぎた。開店五時なのにまだ三十分以上あります。困った時は新規開拓。と、そぼ降る雨の中うろうろと不審者ごっこ。
で、時間五分前に再びお店へ。未だ開店準備中なのに上がり込んで。ここはやっぱり【ホイス】から。あ、ちなみにいうまでもないですが一番客です。焼きもの頼もうにも炭がいこっていないという状況ですから。では生もの喰えばいいじゃないか。【生レバー】をいただきます。ここの生レバーは串で焼くレバーをそのまんま。串のまんま。だから単位は"一本"なのです。
おー、相変わらずの絶品豚レバー。しゃっくりとした歯応えに感動もの。味噌ダレも実に旨い。胡麻油塩でも旨いですが、せっかくのオリジナル味噌ですからこちらでいただきます。さて、次はどうしたものか。ホワイトボードのメニューでも【漬けキュウリ】をお願いします。チョイピリ辛なキュウリの漬物。これはホイスに実に合いますな。
ふと見るとカウンターの向こうでは小皿に何かを盛っているところ。ははぁん、小皿メニューを大量に盛りつけ置きしているんですね。それは何でしょうか?「レバーのスタミナ煮です」。ではそれもお願いします。やって来た【スタミナ煮】はレンジで再加熱してあって熱々のてんこ盛り。相変わらず素晴らしい盛りつけ具合。
これを熱々といただいていると「そろそろ焼きものできますが」とのお申し出。ではとお願いしたのが【カシラ】と【フランスパン】。カシラはタレで頂きます。これはもう定番中の定番。脂の旨味でいただくコラーゲン。この大きさとこの旨さは関西ではなかなかお目にかかれないという代物。あー旨い。これを喰わずに何を喰うか!
そして今回、なぜ一番客を目指したかというとこれが喰いたかったら、のフランスパン。過去、何度挑戦しても売り切れという憂き目にあい続けたメニュー。口切りの客なら無い訳はあるまい。ということで苦節二年、ようやく口にすることが出来ました。とはいえ所詮はフランスパン。ただ焼いてあるだけでしょ?これがそうではないのです。
うっすらとガーリック、そして塩と胡椒が絶妙なバランス。こ、これは堪らない。串焼きの概念をひっくり返す勢いのメニュー。いやー大満足。というところで御料人様から仕事終わりのメールをいただいて、この辺りで御馳走様。満足。まさに満足。決して腹に満足ではなく、長年(二年)の懸念を晴らせたという満足と旨かったという満足。
そして無事御料人様と駅で合流の後、ホテルにチェックイン。いよいよ本日のメインをいただきに出発することと相成る訳です。本日のメイン、それはとんかつ。我らの宿泊ホテルの目の前にあるとんかつ店へといざ出陣。この頃にはそぼ降る雨は結構な風雨へと変わっていました。ま、店は目の前。大丈夫でしょう。
「かつ万」は、私達が必ず行くお店。毎年毎回欠かさずに。特に今回はメニューも決まっております。私は【横綱ロースカツ】、御料人様は【牡蠣フライ】と。前回牡蠣フライをいただいた時に、あまりの旨さに感動してしまったのです。この季節、牡蠣が旨いのは当然ですからね。ビールを付け合わせの漬物でいただきながら揚がり待ち。
まずは牡蠣フライから。「横綱は厚いから、ちょっと待ってくださいね」というごもっともな事。別に二人で分けるから大丈夫ですよ。牡蠣フライ。かなりの肉厚。早速かぶりつくとジューシーな身はごろりと大ぶり。タルタルでも旨いですが、そのまんまでも旨い。御料人様はソースでいただいていましたがそれも旨かったそうです。
何のかんのとあっという間に完食。ご飯と牡蠣フライのコラボは堪らんです。そして超メインの横綱ロースカツの登場。デカイ。相変わらずデカイ。そして今回も見事な揚げ加減。もうね職人技の極み。芯の芯がピンク色。肉汁を最高にキープした見事なとんかつ。最早これを喰わねばどうするの?と問いたい程に見事。
はむっと口に頬張った瞬間の旨味がじゅわっと口腔内に広がる快感。あふう幸せ。そして、柔らかめに炊かれたご飯を一緒にがっつりと詰め込んだ充実感。もうね、とんかつは斯くあるべきですね。幸せを衣で包んで揚げているのです。一気にがっふがふといただくのです。詰め込む、という表現が一番近いんじゃないですかね?
もう堪らなく幸せ。この幸せ一杯腹一杯を皆様に分けて差し上げたいですね。ということで御馳走様でした。帰り際、ちょうど手の空いていたご主人と少しだけお話しする機会に恵まれました。肉の切り方やどの辺りの部位かなど気さくに教えて頂いて更に幸せ気分が膨らむのです。どうも御馳走様でした。
で、外に出てみると土砂降りの雨。うは、これは困ったねぇ。でも再び浅草橋西口へと向かわねばなりません。近所の百均でビニール傘を買い求め、欲望という名の総武線に飛び乗って再び浅草橋の地を踏みしめます。ただいま浅草橋。また来たよ浅草橋。いつものようにワインバー「bevi」へと向かいます。
このお店は本当に居心地のよいお店。スタンディングなのですが、ちょっと腰掛けられるスペースもあって。今回もすみっちょの席にて。あ、どうもお久しぶりですなどとご挨拶しながら【ホットワイン】を。雨に打たれて寒かったもので。シナモンの香りのホットワインは心と体を温めてくれます。あー旨いわ。幸せ。
御料人様は赤ワインを。えーと。何頼んでいたのか忘れましたが。そして【アンチョビオリーブ】などつまんで。更に私がスパークリングワインと御料人様が赤ワインを追加して、酔っぱらう前に御馳走様でした。店長さんのお見送りを受けながらお店を後にしました。いいなぁ。やっぱりここは癒し空間。ワインの良し悪しなどよくわからんですが、お店を楽しませて頂けます。
ということで帰りましょうか。いやそれとももう一軒?ということになりまして。本日早めの時間からうろついていた私が見つけたお店が二軒。どちらか良さそうな方に行ってみましょうか。取り敢えず両方のお店の前を見に行って御料人様の鼻に決めて頂きます。大抵こういう場合は御料人様の最終決定が正解な事が多いですからね。
で選んだのは「しば田 和助」という割烹というには庶民的な雰囲気のお店。格子戸をがらり、二人ですけど入れますか?「どうぞー、靴脱いでくださいねぇ」とお母さん。上がりかまちで靴を脱いで八席ほどのカウンターの奥へと通されました。それもネタケースの目の前という特等席。うひゃいいねぇ。なんとも良い雰囲気じゃあないですか。
「どうぞ【お通し】です」と出されたのが、牡蠣二つと茶碗蒸しを御料人様と一揃えずつ。え?お通しですか、これが。もうね、この瞬間一人七千円くらいは覚悟しましたね。だって大ぶりの牡蠣が二つ。お聞きしたところ日生の牡蠣を酒蒸しにしてあるとか。へぇ、頂きましょう。う、旨い。ぶりっと仕上がった酒蒸し。作りおいているので冷めてますがしっかりと旨味。
そして茶碗蒸しは熱々。冷えたからだが暖まります。えーと、お酒をぬる燗でください。「福島の又兵衛です。うちはこれしかおいていません」というお酒。ほう、いいですね。こだわりのお酒ですね。このお酒がちょいと甘口で料理によく合います。べと付く甘さではないので実に美味しく頂けます。我らが地元のお酒によく似た旨味。
造りもいただきましょうか。とはいえここは三軒目。私に至ってはやきとん含めると四軒目。しかも横綱ロースカツでがっつりと頂いたあとですからそんなに沢山は喰えないです。「一切れずつで盛り合わせもおつくりしますよ」と言って頂きましたが、取り敢えず鮪だけにしておきます。【大間のマグロ 中トロ】を。
これがまぁ旨いんだわ。大トロのような脂ではなく赤身よりも旨味が強い。赤身も旨いですが中トロの絶妙な旨味が堪らんです。ご主人曰く「産地・素性のはっきりと分かるものを使うようにしています」とのことです。なるほど牡蠣は日生、マグロは大間な訳ですね。ではさっきから気になっていた【なまこ刺身】もいただきましょうか。
「能登の赤なまこです。赤は能登が一番いい」といって出された造りは関西の二杯酢とは違って本当に刺身。こりっとした食感を楽しめる大ぶりな切り身。うん、確かに旨い。これは日本酒が進んじゃいますわ。すみません、もう一本お願いします。マッタリと楽しんでいましたら、先客の方々から声をかけて頂いて。
あ、関西のご出身ですか、へぇ。などと。「つまんでください」とご主人からいただいた海苔。これはもしや【浅草海苔】ですか?「ええ、浅草の種です」。え?種って何?とお聞きしたかったのですが、ここで別のお客さんの注文が入って話が中断。残念。次回伺った時には詳しく教えて頂こう。更に【漬物】などもいただいてしまいました。
あーここは良いお店ですわ。すっかりと馴染んでしまいます。もうね、次回は絶対に一軒目に来ますよ。そしてじっくりと呑みます。多少お値段がはっても仕方がないですから。ということで御馳走様でした。お勘定お願いします。え?このお値段ですか?二人して5,000円を切るお値段。えーと、すげぇ普通の値段ですが。
この雰囲気とご主人・お母さんのお人柄、そしてこだわりの素材に料理。もうね、本気で気に入りましたよ私は。またしても浅草橋を満喫できる憩いスポットを発見してしまいました。こうなったら浅草橋を私達の故郷認定してしまいましょうか。富山、釧路、浅草橋と一体どれだけ故郷が増えることやら。
心が癒される場所、そこが故郷なのです。
あ、あと焼肉店ももちろん故郷です。
今回のお店:
焼き鳥 西口やきとん
東京都台東区浅草橋4-10-2
TEL.(03)3864-4869
ひれかつ かつ万
東京都墨田区亀沢1-23-2
TEL.(03)3622-1010
Wine&Dining bevi
東京都台東区浅草橋1-35-8
TEL.(03)3863-0388
旬の地魚と地酒の店 しば田 和助
東京都台東区浅草橋
(詳細はお調べください)
焼き鳥 西口やきとん
東京都台東区浅草橋4-10-2
TEL.(03)3864-4869
ひれかつ かつ万
東京都墨田区亀沢1-23-2
TEL.(03)3622-1010
Wine&Dining bevi
東京都台東区浅草橋1-35-8
TEL.(03)3863-0388
旬の地魚と地酒の店 しば田 和助
東京都台東区浅草橋
(詳細はお調べください)
2009年1月13日 17:35
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