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最初のBSE騒動が起こったとき、あの時は米国で同時多発テロがあった直後でした。その大きなニュースに隠れて、発生直後は大きな話題になりませんでした。その後、風評も含めて大変な事態へと発展していったのですが。
そして今回の国際獣疫事務局(OIE)総会での「全ての腸を特定危険部位に指定」という横暴ともとれるような決定も、イラクの日本人襲撃の陰に隠れてしまいそうです。
この事態の善し悪しは別として、かなりきちんと考えねばなりません。1980年代に商業捕鯨が禁止されたとき、それまで安価で栄養価も高く美味しかった鯨が食べられなくなりました。尾の身の刺身など、昔は居酒屋の安い刺身扱いだったものが、今では超高級料理です。
おそらく牛内臓肉についても同じような事が起こると思います。思う、というよりもほぼ確実にそうなります。ほとんどを米国からの輸入に頼ってきた内臓肉を、国内産牛で補うことは不可能です。
そうなると当然ですが、価格に跳ね返ることは容易に想像できます。これまで「安い」ことを売りにしてきた感がある「モツ」が、一気に高騰してしまうのです。
バブル崩壊後、雨後の竹の子のように乱立した「モツ鍋」店。これなど、モツ(内臓肉)が安いからこそ有り得た話です。もっとも余りの乱立ぶりにアッという間に無くなったブームでしたが。
話を戻します。実際、輸入物のホルモンを使っているお店では、かなり「安め」の価格設定になっていたと思います。逆に言えば、ホルモンがロース・カルビ並の価格設定のお店では、国内産の「生ホルモン」が饗されていたのだと思います。
この国内産の数が限られているものを、みんなで取り合うのです。こうなると鯨同様「高級食材」となってしまいます。特上ロースよりもテッチャンの方が高価になる可能性もあるのです。由々しき事態です。
これらを解決する方法がない訳ではありません。現在、屠蓄場でその処理がわからないために打ち捨てられている内臓肉があるそうなのです。それらを、きちんと教育された内臓職人(と呼ぶのでしょうか?)の手によって処理すれば、市場にのせることが出来るというのです。
今までの需要量では「商品」としてパッとしなかったホルモンですが、一気に供給不足となる今こそ「安全」で「新鮮」な国内産ホルモンを見直すときだと思います。いや、そうするべきです。私のような門外漢が考えていることですから、専門の方々は既に行動に移っていることと思います。
はっきり言って、価格の上昇は仕方がありません。そうでなければ国内で新しく供給ルートを作ることなど無理でしょう。それでも、現行の国産ホルモンの流通量では口に入らない可能性が余りに高すぎます。なので、ニュースショーなどで言っている「ホルモン離れ」というのもある程度は黙認せねばならないのでしょうか。ええ、私は決して離れはしませんが。
むしろぶら下がる方向で行きたいと思います。
本当にがんばってください、関係者の方々。応援しています。
2004年5月29日 15:50
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