思いもかけずに超満腹「炭火七輪焼肉 糸桜」
金曜日。久しぶりの角打ちにお出かけしたら、ポテトサラダしか喰っていなかった、という失態。自宅で煮物を温め直して喰う予定が、酔っぱらって忘れてた、テヘッ☆ということでエネルギー不足。日本の未来のエネルギー問題は深刻です。見かねた御料人様が土曜日に焼肉に行こう、と提案して下さったので待望の糸桜で焼肉。

最近、すっかりとポッサムチプやくにきやの飛び込みが難しくなってしまったのです。糸桜なら、と、しかし、結構席が埋まっております。さすがは土曜日ですね、ええ。いつものように私は赤ワインで。前菜は当然のナムル盛り合わせ。新ごぼう・豆苗・新じゃがと新玉の三種盛り。ごぼうが旨い。驚きの旨さ。雑味のないごぼうの旨さ新発見。

相変わらず旨いですねぇ。お、「和牛ホルモンお刺身三種盛り」ですか。それをいただきましょうか。ハツ・レバー・生センマイの三種類。生センマイはちょいと味付けに好みが別れますが、ハツとレバーの旨さは抜群。私的には特にハツ刺がいいですね。ガーリックソルトでいただくと肉の旨味が一気に広がって。これは旨い。

そして焼きものへと。最近は前菜だけで半分くらい喰うほどの勢いなのですが今回は違いますよ。というのも、非常に程度のいいシビレが入荷と聞いたから。シビレ、胸腺ですね。よくリードヴォーと混同しがちですが、リードヴォーには厳密な規定が彼のフランスの地でありますのでちょっと違います。ま、それはともかく頂きましょう。

あ、そうそう。余所様が注文してらっしゃったハラミがあまりにも旨そうだったのでそれも頂きました。ハラミとシビレ。最近ではどちらも高価になりましたねコンビ。シビレ焼く。うは、とろけるように脂が!これはいいわ。口に放り込めば甘味が脂とともにじゅわわーっと。この脂を食べる食感が実に快感なのです。これは堪らない。

そしてハラミも見事なほどけ具合。ほろりと喰えるハラミは絶妙の旨さ。これ、今度刺身で貰おう。うん、きっと旨いな。ここで、御料人様大好物の「ミノの冷製バジル仕立て」を。これも相変わらずの上品な味。ワインに実によく合いますね。今回、御料人様は酒は要らないということなので、私はグラスでいただいております。

ここで本日のお薦め肉の登場!「チカラコブ」だそうです。私以外の周りの人達は既に食しているという、私を嫉妬に狂わせた部位。前足の堅めの筋肉部分。スジを噛んでいるので歯応えはしっかりとあって、実に肉の旨味が凝縮されております。サシ肉もいいですが、やはりこの手のがしっと歯応えを楽しめる肉ってのはいいですね!

しっかり赤肉の次はホルモンの王様。そう、ここ最近人気急上昇の丸腸の登場なのです。というか、お店に着いた瞬間に「丸腸とシビレのいいのが入ってますよ」と囁かれてしまったという訳で。当然いただきますとも。丸腸!もう言うまでもありませんが、牛の小腸を脂部分が内側になるようにひっくり返した逸品なのです。

こいつをガンガンと攻めの姿勢で焼いていきます。最初はのたっとした容姿のホルモンですが、焼けるにつれてその様相がどんどんと変化します。まずは腸の部分が焼けてぎゅっと締まってきます。すると内側の脂がぬぬぬっと表に出てきて、それが炙られてじゅわーーっと脂を炭に落とすのです。ふわっとあがる煙に食欲がそそられる!

外はカリッと、内側は脂がじゅわっと。この味と食感のコントラストが堪らんのですわ。あーー!最高じゃあ!これはワインなんかじゃ追いつかない、というわけで生ビールに変更。ビールと丸腸の絶妙なコンビネーションにノックアウト。丸腸は洗いに水を大量に使うので、この辺りではあまり扱っていないのです、というお話を聞きながら、意識は常に網の上。

よし!この勢いで生レバーを追加お願いします。というのも、目の前で焼きレバーをカットしてらっしゃるのですが、それが旨そうで旨そうで。そういえば、焼きレバーと生レバーとどうやって分けているのですか?と聞いてみたのです。レバーにはスジや血管が多く噛んでいるところがあるので、焼きレバーはそちらを使っているとの事。うーむなるほど。

ということは、生レバーも焼きレバーも鮮度は同じって事なんですね。これは勉強になる。ついでにレバーの皮むきもこっそりと観察して、次回塊で買ってきて挑戦しようという無謀を計略。さて。それではラスト、いってみましょうか。えーと。カッパをお願いします。御料人様のご希望。そういえば、ここではカッパを喰った事無かったかな。

見事な肉捌きを眺めつつ、丸腸の勢いで一気に生ビールを飲み干してしまったので再び赤ワインへと戻って。オリーブオイルで食べる生レバーは赤ワインとの相性がいいですね。そしてサシッ気のまるでないカッパも赤ワインに実に合う。凝ったソースよりもいい塩だけで十分に旨味が出るのがスジ系の肉の醍醐味。

いやーすっかりと満足。とここで「これ試食してみて下さい」と出てきたのは鴨。鴨?フォアグラを取った後の鴨肉だそうです。へー、では頂きます。すげぇ脂です。が、肉の方はガッと締まった赤身。へーこれはあっさりとした赤身とコッテリ脂が旨いですねぇ。塩とタレで頂きましたが、このバルサミコベースのタレは牛肉よりもこういった肉の方がよく合いますね。

たしか、カナール ミュラールだったと思います、肉の名前。で、「鴨といえば...」ネギもいただきました。焼きネギ旨!本当に鴨と葱ってのはよく合いますね。てなこと言っていると「これ、サービスです。食べてみて下さい」とやってくるのは豚バラ。うわ、これなんて綺麗な豚肉なのでしょう!イベリコ豚だそうですわ。

生のイベリコ豚って初めてです。いただきます。脂が旨い。これは旨い。塩だけで旨味がガッツリと。そして胃袋もはち切れ限界。もうね、これ以上は何も入りません。まじで御馳走様でした。帰り際に恐ろしく旨そうな上ロースを見ても喰いたくはならなかったですから。このところ、腹七分目くらいで通してましたから、マジで胃袋小さくなってたのですね。
そして思い切り胃を拡張してしまった事は否めません。
昨日はカツカレー大盛りでもお代わりしそうな勢いでしたわ。
今回のお店:炭火七輪焼肉 糸桜
兵庫県神戸市中央区北長狭通8-3-2
TEL.(078)351-1727
2008年3月10日 13:00